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飲食店の基本指標解説(FL比率・FLコスト等)

飲食店経営には指標管理が不可欠

飲食店経営者や店長の中には、「料理を作るのは得意だけど、数字については極端に苦手」という方が多いのではないでしょうか?
調理技術に長けている方が様々な経緯を経てオーナー・店長になったが、「本音を言えば、数字は見ずに、ずっと鍋を振っていたい」という声もよくお聞きします。

ただ、経営者・店長ということは、お店の従業員とその家族の生活を預かっている身です。日々の数値管理をしっかりと行わずに、毎月末に数字を締めてみたら売上・利益ともに目標とは全くかけ離れた状況だった、というような「フタを開けたら臭かった管理」をしていてはいけません。

このような管理を続けていては、お店は遠からず閉めざるを得なくなり、従業員の生活を守っていくことができなくなってしまいます。
逆に言えば、 日々の店舗運営においてしっかりと数値管理を行うことができれば、より適切に儲けを生み出し、従業員の生活も豊かにしてあげることが可能 となるのです。
本サイトにおいては、飲食店経営において抑えておくべき基本指標(FL比率・FLコスト等)をご紹介すると共に、その改善策などをご紹介していきます。

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飲食店の基本指標とは

飲食店経営において最も重視すべき指標の1つは、「FLコスト」と「FL比率」というものです。

FL比率とは売上高に占める食材原価と人件費比率がどれくらいか、という指標で、FとはFood(食材費)、LとはLabor(人件費)の略です。

FLコスト=食材費+人件費,FL比率=食材費+人件費/売上高

飲食店経営において儲かるかどうかは、このFL比率のコントロールにかかっていると言っても過言ではありません。

では、飲食店経営において目指すべきFL比率とはどれくらいでしょうか?業態によっても違いはありますが、平均は55%~65%と言われています。まずは、FL比率55%をめざしましょう。

なお、ここで言う人件費は、毎月支払っている給料だけでなく、賞与(ボーナス)や様々な福利厚生費も含んだ人件費総額で計算します。

利益がかなり出ている超優良飲食店ではFL比率を50%程度にまで絞っていることが多く、逆に利益が出ていない飲食店は、FL比率が65%以上と、高コスト体制になっていることが多いと言えます。

FL比率50%以下 超優良店。食材費、人件費共に非常に高い水準でコントロールすることができています。
FL比率50~55% 優良店。食材費、人件費共に高い水準でコントロールすることができています。一般的にはこの比率を目指していきましょう。
FL比率55~60% 一般店。悪くはありませんが、人件費のコントロールが多少うまくいかず、この領域(60%程度)にいる店舗が多いと言えます。
FL比率60~65% 危険店。65%に近いようですと、人件費だけでなく、食材費のコントロールもうまくいっていない店舗が多いと言えます。
FL比率65%以上 超危険店。FL比率が65%を超え続けると、店舗経営はいずれ破たんしてしまうでしょう。

 

超優良店の経営を見てみると、食材費比率28%、人件費比率22%など、素晴らしい数値になっています。これは、飲食店における貴重な戦力であるパート・アルバイトのシフト管理・時給調整がうまくいっていることを示します。

一方、FL比率が65%以上となっている超危険店などは、食材廃棄ロスが大きいために食材費比率が35%、勤務シフト表をしっかりと組むことができないために人件費30%~35%などとなってしまっています。

最近流行りの「原価率を高めながらも立ち食いスタイルにすることで回転数を多くして、最終利益を残す」という明確な狙いがある業態は別として、一般的な飲食店においては、FL比率をまずは55%まで落とすことを目標としましょう。

もちろん、人件費比率を下げるために最低賃金を下回る時給を提示したり、労働基準法に反するような雇用契約を結ぶことはご法度です。

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その他意識をすべき指標とは

飲食店において、FL比率以外に意識をしていただきたい指標が「営業利益率」です。
店舗において売り上げた額の内、何%が営業利益として残ったのか、という指標です。

上場している外食企業の2013年の決算書を見てみると、経常利益率1位が高級フレンチレストランで25.1%と驚異的な数値を残しています。
2位がとんかつチェーンで15.7%。3位がステーキ・ハンバーグチェーン13.7%、4位がカフェ業態の13.1%と続きます。

上場企業の平均営業利益率は約8%と言われています。ご自身の経営する飲食店では、どれくらいの営業利益率をだせているでしょうか?
売上高100%に対して、食材費32%、人件費28%、地代家賃10%、水道光熱費7%、減価償却費7%、消耗品費3%、雑費8%がかかってくると、利益は5%しか残りません。
ちなみに、売上が1,000万円/月の店舗で営業利益率が1%違うと、10万円も利益が変わってきます。
営業利益率が5%のお店では、10万円分の利益を獲得するためには、200万円も売上を伸ばさないといけなくなってしまいます。これは大変ですね。

飲食店経営においては、FL比率をはじめとした数値管理を徹底して、営業利益率を高めるように努力していきましょう。
そのためには、日々の売上額を管理するだけでなく、かかっている経費も日次で管理することが重要となります。

経理はスマホでスマートに終わらせて、儲けることに専念しましょう

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