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2015年度、「昨年対比売上を伸ばした店舗が最も多い業態はフランス料理」

日本全国の飲食店経営指標を分析してみました。


日本全国の飲食店を中心とした「店舗」の経営指標を集計する中、今回は国内約2,000店舗の飲食店が2014年と2015年でどれだけ売上を伸ばしたかを分析してみました。

調査業態は焼肉、ラーメン、カフェ、フランス料理、焼き鳥など、19種類。①日本全国、②3大都市圏(東京・大阪・愛知)、③3大都市圏以外の3カテゴリーの分析結果を発表します。

①日本全国

日本全国で見ると、約半数の店舗で2014年対比売上を伸ばしました。
業態別に見ていくと、2014年対比で売上を伸ばした店舗数割合が一番多い業態は、「フランス料理」でした。
フランス料理業態の店舗の内、6割近くが2015年の年間売上を昨年対比で伸ばしています。

フランス料理業態で特徴的なのは、「客数」は昨年対比で1割以上減っているのに「客単価」が1割以上上がっていることにより、売上を伸ばしている、という点です。
フランス料理は元々客単価が高い業態ですが、2015年は更にその傾向が顕著で、「お金に余裕のある客層が、さらにお金を使っている」という状況のようです。

次に売上を伸ばしている店舗比率が高い業態は、「そば・うどん」でした。客数・客単価はほぼ前年通りです。

②3大都市圏(東京・大阪・愛知)

東京・大阪・愛知の3大都市圏に絞って数字を見てみると、やはりフランス料理業態が最も昨年対比売上を伸ばした店舗の比率が高くなり、8割近くもの店舗が該当します。
客数・客単価も1割程度ずつ伸びていますので、3大都市圏のフランス料理業態は2015年は当たり年だったと言えるでしょう。アベノミクスが、富裕層向けの高単価業態には業績アップに寄与しているのかもしれません。

次に、3大都市圏では寿司店が伸びている業態の2位に食い込んできました。こちらは客単価はほぼ維持で、客数が2割近く伸びた、という傾向が出ています。全体の7割近くの寿司店が、昨年対比売上を伸ばしています。
続いてそば・うどん店が第3位で、第4位はラーメン店。6割程度の店舗が売上を伸ばしましたが、客数と客単価はほぼ前年通りです。

③3大都市圏以外

3大都市圏以外では、焼き肉やそば・うどん、中華、ラーメンなどが上位に食い込んでいます。

「高単価業態」は今後も伸びる可能性が高い

飲食店の2014年度と2015年度の売上対比データで最も注目すべき点は、「3大都市圏ではフランス料理や寿司店などの高単価業態が伸びている」という点でしょう。

外食をする際も、普段はそば・うどんなど親しみのある食事ですませておきながら、「晴れの日」と呼ばれるようなここぞと言う日には、思い切って多くのお金を使って食事を楽しむメリハリ型の消費が多くなってきている、ということでしょうか。

少し前までは、「日本人は休日に家族で買い物に出かけて、そこそこの金額でそこそこ美味しい料理を食べて帰る」というライフスタイルが主流でしたが、それが崩れてきているのかもしれません。
中間価格帯で似たようなコンセプトの飲食店舗が増えた今、各店のウリがお客様に伝わりづらくなってきているということも要因の一つでしょう。

飲食店経営者としては、客数が伸びない際は焦りが出て、「もう少し単価を下げないとお客様に選んでもらえないのではないか」と単価ダウンや割引に走りがちですが、これは逆効果かもしれません。

思い切って少し単価を高めてでも、「少し高い金額を頂戴するからには、良い食材を使って丁寧に調理をしている」ということをお客様に伝えていくことで、「晴れの日」に選んでもらえるお店になれるかもしれませんね。

過去のデータを見てみると、3大都市圏で起こった消費傾向は、少し期間を経てその他のエリアにも伝播していきますので、今後、その他のエリアでも同様の動きがみられるでしょう。

このことからも、今後の飲食店の価格帯方針としては、「劇的に安くしてお客様を呼び込む」か、「これまでよりも単価を高くしてでも、品質の高い料理を提供することでお客様に特別感を感じてもらえるようにするか」のどちらかを決めていく必要があると言えます。

お客様により一層支持されるために、提供する価値とそれに見合う価格のバランスに常に気を付けていく必要があるのです。

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