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客単価を無理なくアップできるメニューの改良法

一流のソムリエは料理に合ったワインをお勧めする

料理がおいしいと評判の、とある創作居酒屋には1つだけ悩みがありました。それは、「お客様がお酒やジュースなどの追加ドリンクをあまり頼んでくれない」というものです。

飲食店の売上構成は、大きくは食べ物と飲み物に分けられ、その比率をFD比率と言いますが(参照:FD比率のコントロールの仕方)この居酒屋においては、フードが80%近くも占めてしまっているのです。

料理の単価が800円、ドリンク単価が500円なので、追加ドリンクを頼んでもらえればFD比率がここまで偏ることはないはずですが、なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか?その根本原因は、この店の「メニュー」にありました。

 

このお店のメニューは、イタリアンレストランのように、料理版とドリンクが分かれているものでした。ファーストオーダー時にはドリンクメニューを開き、1杯頼んでくださるお客様も、追加オーダー時には「次にどの料理を頼もうか」と料理のメニューブックばかりを手に取るために、ドリンクのことが頭に浮かびません。

従業員もあまり積極的にお客様に声をかけるお店ではないために、結果として追加オーダーが料理ばかりになり、ドリンク比率が低くなってしまっていたのです。


このような飲食店がドリンク比率を高め、客単価を無理なくアップするためには、「メニューにソムリエ役をしてもらう」ということをお勧めします。

高級イタリアンレストランに行くと、ソムリエがいて、お客様が選ぶ料理によく合うワインをさりげなくお勧めしてくれますよね。ソムリエは、「当店のガーリックを効かしたこの料理にはこのスパイシーなボルドーの赤が合います。この魚料理には純米大吟醸を合わせてはいかがでしょうか?濃い味付けのお料理を召しあがった最後には、はちみつをふんだんに使った甘いデザートをお勧めします」というようなレコメンドをしてきます。
もちろん、本物のソムリエを我が店に雇うわけにはいきませんので、2種類のメニューを1つにまとめ、そのメニューにソムリエ役をしてもらえば良いのです。

フードとドリンクを組み合わせたメニュー作りがカギ

では、メニューにソムリエ役をしてもらうためには、いったい何をしたら良いのでしょうか?
実は、そんなに難しいことではありません。具体的には、全ての料理メニューの横に、その料理に合うドリンクとうんちく・お勧めを書いていけば良いのです。
例えば、

「国産和牛を使ったハンバーグ」の横には「キンキンに冷えたスパークリングワインがお勧めです!」
「ブルーチーズ3種類の盛り合わせ」の横には「少し甘めの白ワインがお勧めです。青カビタイプの塩気の強さを、まろやかにしてくれるんですよ」
「串カツ8点盛り」の横には、「串カツには黙ってビールです。でも、3種類のビール飲み比べセットで、どのビールが串カツに一番合うかを見つけてみるのも面白いかもしれません」

などのように書いておきましょう。この「どの料理にはどのドリンクが合うのか」については、店長の一存ではなく、スタッフ全員で朝礼時などに話し合って決めるのが良いですね。
また、フードメニューのフッター(一番下)には必ず、「そろそろ甘いモノが食べたくなったあなたには最終ページでデザートが待っていますよ」などと締めのデザートもアピールするようにしてください。

もちろん、デザートページでも
「マスカルポーネを通常の3倍使った濃厚ティラミス」の横には「ここで原点回帰のホットミルクはいかがですか。かなり合いますよ」

とお勧めするのもお忘れなく。

全て印刷ではなく、手書きも有効

このような「レコメンド」は、実は小売店などで良く採り入れられている販促手法です。それぞれの商品に特徴的な手書きの文字で、つい読み込みたくなるような説明文をつけて売っているお店が多くなっていますよね。飲食店でも同様に、「キレイに印字された無機質なメニュー」ではなく、「そこにあえて手書き文字で書かれたレコメンドドリンク」を書いておくことで、お客様の注目を集めることが可能となります。

高校生や主婦のパート・アルバイトの方でも、実はPOPつくりや文章を考えるのが上手、という人が多いはずです。ぜひ時給を上乗せしてでも、得意な人に「ソムリエメニュー作成」を手伝ってもらってください。
こうすることで、お客様に喜ばれながら客単価をアップしていくことが可能となるんですよ。

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