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ベンチマーク店の設定・調査 第3回

分析したデータをもとに事業モデルを再チェック

ベンチマーク店で収集したデータがまとまったら、自店のコンセプトシート、損益計算書に記載していたデータと比較検討し、設定していた数値に無理がないかあらためて確認します。

※損益計算書 財務諸表のひとつで、略してP/Lと略称されることも多い。売上高から変動費(売上原価、人件費など)と固定費(家賃、水道光熱費、減価償却費など)などを差し引いて利益を算出する。ここでいう「損益計算書」は事業モデルの収益を確認するために作成した簡易版の計算書を指す。

本コラムの第8回で作成しましたコンセプトシートの事例では、店舗規模12坪24席でテーブル席を多く配置した店を想定し、営業時間は17時30分〜深夜0時までの6時間30分としていました。ここから、損益計算書では木曜・金曜の1日あたりの客数をミドルで43人・客席回転率1.8に設定しました。ここで、ベンチマーク店Aの調査結果を確認します。

調査シート例 A店

調査店A店
特色 焼とんが主力商品で、牛スジ肉を味噌で煮込んだどて焼きを名物料理に挙げる。焼とんは朝締めの豚内臓肉を使用し、のどぶえ(声帯)、しっきん(食道)などのめずらしい部位が充実する。アルコールは本格焼酎を中心に据える。
立地 赤坂駅から徒歩5分。 繁華街から道1本入った路地の2階
営業時間・定休日 18時~翌3時(土曜・祝日は18時~23時) 日曜定休
店前交通量 68人(繁華街は252人)
席数 合計 30席
席数構成 カウンター8席、テーブル14席、座敷8席
客数 合計 19時~21時 21時~23時
月曜~火曜 約40人 26人
木曜~金曜 53人 34人 19人
土曜 約28人 18人

従業員数
(金曜ピーク時)

社員 2人
アルバイト 4人
人員配置 K(キッチン)2.5人、H(ホール)3.5人
客単価 3,500円前後

商品構成
(上段:商品数下段:価格設定)

焼とん

焼とん16品

185円均一

サイドメニュー

43品

中心価格帯350~800円

売れ筋商品 焼とん(レバー、ハツ、ガツ、カシラ、ハラミ)、どて焼き550円、レバカツ350円、レバ刺し350円
ドリンク 売上げ構成比 35%前後
価格設定 生ビール550円、焼酎550~1,250円

上記の通り、A店では30席を配置していますが賑わう金曜でも19時から23時の客数が53人で客席回転率は1.76。コンセプトシートの設定は、繁盛店の数字と比べると少し高いと考えた方が良さそうです。

このことから、損益計算書を見直したり、平日も深夜営業をしているA店のスタイルを取り入れ営業時間の再検討を行うと行ったように、事業モデルの見直しを進めます。

次に、想定客単価の精度を上げるため、メニュー表をベンチマーク店のものと照らし合わせ、価格設定とメニュー構成をしっかりと見直します。

事例の想定客単価は2,800円でした。調査したベンチマーク店でこれに一番近かったのは下記のB店で、串焼き17品を120円〜220円で提供しています。品揃え、価格、品質、ポーションを自店と比較検討し、さらにお客の注文状況を観察して、想定通りの客単価に達するか確認しましょう。もし差異があるようなら、客単価・価格設定を調整します。

調査シート例 B店

調査店B店
特色 焼とんともつ鍋を二大看板商品に掲げた大衆酒場。朝締めの内臓肉とともに、豚肉にはブランド豚を用いて付加価値を打ち出し、一品料理も充実する。サワー類など幅広い品揃え。
立地 溜池山王駅から徒歩2分。ビジネスビルに囲まれた路地の路面店
営業時間・定休日 11時30分~14時、17時~23時30分 日曜・祝日定休
店前交通量 144人
席数 合計 28席
席数構成 カウンター14席、テーブル14席
客数 合計 19時~21時 21時~23時
月曜~火曜 約46人 30人
木曜~金曜 58人 38人 20人
土曜 約36人 24人

従業員数
(金曜ピーク時)

社員 2人
アルバイト 2人
人員配置 K(キッチン)2人、H(ホール)2人
客単価 2,800円前後

商品構成
(上段:商品数下段:価格設定)

焼とん

焼とん12品、焼とり5品

120~220円

サイドメニュー

38品

中心価格帯280~580円

売れ筋商品

焼とん(レバー、豚バラ、シロ、カシラ)

もつ鍋980円、もつ煮込み580円、豚バラの鉄板煮込み580円、から揚げ480円

ドリンク 売上げ構成比 35%前後
価格設定 生ビール480円、サワー類380円~

ベンチマーク店のデータは、業績見込の根拠として示すため、事業計画書に添付します。その際、融資担当者がポイントを掴みやすいよう、このページでご紹介しているように一覧表にすることをお勧めします。各店舗、A4用紙1枚に収まる程度にまとめましょう。

調査シート例 C店

調査店C店
特色 焼とんを主力としたワインダイニング。焼とんはシンプルに塩味のみだが、5種類の天然塩を揃えてお客の好みによって使い分ける。フードの品揃えを絞り込む一方で、ワインはグラス12種と豊富に揃え、ワインバーとしても利用できるようにしている。
立地 神田駅から徒歩3分。ビジネスビルが並ぶ大通りの路面店
営業時間・定休日 17時~翌1時 日曜・祝日定休
店前交通量 192人
席数 合計 20席
席数構成 カウンター8席、テーブル12席
客数 合計 19時~21時 21時~23時
月曜~火曜 26人 18人 8人
木曜~金曜 38人 22人 16人
土曜 16人 10人 6人

従業員数

(金曜ピーク時)

社員 2人
アルバイト 1人
人員配置 K(キッチン)1.5人、H(ホール)1.5人
客単価 3,200円前後

商品構成
(上段:商品数下段:価格設定)

焼とん

焼とん9品、焼とり3品

焼とん160円、焼とり180円

サイドメニュー

24品

480~880円

売れ筋商品

焼とん(レバー、カシラ、ハツ、タン)

もつ煮込みのオーブン焼き680円、豚のパテ680円、ラタトゥイユ580円

ドリンク 売上げ構成比 40%以上
価格設定 生ビール500円、グラスワイン680円~

開業予定の方、創業計画書を作りたい方は OAGコンサルティングへご相談下さい。

※本コラムは株式会社OAGコンサルティングからの寄稿です
投稿:2016年2月

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