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飲食店の居抜き物件探しは「排気・排煙」トラブルに気をつけるべし

特に居抜き店舗では注意が必要

もし、あなたが飲食店を開業しようとしていて、物件探しの最中ならば、ぜひ聞いていただきたいことがあります。
それは、物件を探す際には「排気・排煙に気を付けていただきたい、という点です。

自分が夢に見たような飲食店をオープンするための物件探しでは、多くの妥協が必要です。広くて、安くて、自然光が差し込んで、築浅で、駅から近くて、店前通行量が多くて・・・という飲食物件は存在せず、広いけど賃料が高い、安いけどお店の前は誰一人通らないなど、飲食店の物件探しをする際には理想に反して、「いくつかのポイントを諦め」なければなりません。

ただ、ここに落とし穴があります。飲食店開業初心者は、「実際に店舗をオープンした後に、お店に匂いや煙が充満してしまうかどうか」を店舗選びの選択基準に入れる方がほとんどおらず、開業後に「大失敗だった」と悔やむケースが多いという落とし穴です。

あなたの好きな飲食店に、焼肉屋さんや立ち食いソバ屋さんはありますか?

残念ながらどんなに美味しい焼肉屋さんでも立ち食いソバ屋さんでも、食後に店を出た際に、自分の服に匂いがしみついてしまうことが多いですよね?
スーツを着てお客様と商談をするビジネスマンや、おしゃれな服を着ている若い女性は、特に自分の服に匂いが付くことを嫌がります。
「あの店は安くて美味しいんだけどね。行くと服が臭くなっちゃうから、行けないのよ」というお客様も多くいらっしゃいます。
つまり、お客様は、「美味しいよりも匂いがつく」ことの方がウェイトが高く、匂いが付くお店にはご来店いただきづらい、ということです。

飲食店の物件を探す際には、「自分がオープンしようとしている業態で出る排気・排煙は、この店はしっかりと出来るだろうか?」という視点を必ず持つようにしてください。

居抜き物件の場合は、仲介不動産屋さんだけでなく、近隣店舗や住人に、「このお店は以前何屋だったのか?なぜ撤退したのか?匂いなどの問題はなかったか?」をヒアリングしてみてください。

内見の(実際に物件を見に行く)際には、自分がオープンしようとしている業態で使う食材を持ち込み、カセットコンロでも良いので実際に匂いや煙を出してみて、「店舗の排気システムでそれらがしっかりと店外に出されるかどうか」を確認するようにしてください。

また、出来れば、店外に排出された匂いや煙が、ダクトを通ってどこに出されるか、その匂いはどこに流れていくか、もしっかりと確認をするようにしてください。

飲食店の退店理由で多いのは「匂い」

実は、飲食店が退店(閉店)する理由として、上位に上げられるのが、「近隣店舗・近隣住民とのトラブル」です。もちろん酔っ払いの騒音やウェイティング時のお客様のマナーなどもトラブルになりがちですが、案外多いのが「匂い」の問題なのです。

「あの店は繁盛しているように見えたんだけどな。なんで閉店しちゃったんだろう?」とお客様が首をかしげられるケースも、実は匂いが原因でトラブルが起きていたケースが多いのです。

店内からは換気扇を通じてしっかりと排気が出来るからOK、と思って物件を契約してしまうと、店外の煙や匂いが周辺に巻き散らかされる点を見逃してしまいます。

具体的には、豚骨ラーメン屋や揚げ物トッピングをウリとしたカレー屋などは、近隣からクレームをもらい、閉店に追いやられることが多いと言えます。

お客として月に1回豚骨臭タップリのラーメンを食べに行く分には全く気になりませんが、毎日ずっとその匂いを嗅がされ続ける近隣店舗や、洗濯物を干していても、隣から流れてくるフライ油の匂いが染みついてしまう近隣住民の気持ちは、少し考えるだけでも分かるでしょう。

飲食店の物件を探す際には、排気・排煙を必ずチェックする。このチェックを怠ると、お客様が来店していただけず、近隣からはクレームが続出して、最終的には退店(閉店)に追いやられてしまう危険性も高いと言えます。

ビルの屋上まで排煙ダクトを伸ばすだけで400万円の見積りが出るケースなども多くあり、開店してからでは、とても個人経営の店では支払える額ではありません。

ぜひ、飲食店開業のために物件探しをする際には、お気を付けください。

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