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徹底的にお叱りをもらうための「プレプレオープン」をしてみよう

いきなりのグランドオープンは墓穴を掘るようなもの

長い間夢見てきた飲食店開業の日を迎えると、どんな方でも小躍りしたくなるほど喜ばれることでしょう。

でも、オープンしたは良いが、ほとんどの場合は営業終了時にはその小躍りしたいほどウキウキしていた気持ちが、ズドンと落ちてしまうようです。

その理由は何故か?答えは「イメージしていたほどスムーズにオペレーションが回せない」からです。

「他の同業態飲食店で接客経験のあるスタッフを集め、事前研修をした上でグランドオープン当日を迎えたから、全く問題は起きないだろう」とタカをくくっていても、実際の現場は混乱してしまうことが必至です。

飲食店では、メニューも客席配置もオペレーションも全く他店とは違うもののため、例え経験のあるスタッフを集めても、「その店でのオペレーション」になれるまでは、混乱やトラブルが続発してしまうのです。

注文を受けた際の処理一つとっても、使っているハンディターミナルやレジメーカーが違うと、キーの配置や処理方法にかなり違いがありますからね。

半額キャンペーンは絶対に行わない

せっかくだから景気づけに「開店キャンペーン」をやろう、ということで3日間全品半額セールチラシなどを広範囲にポスティングしてしまう飲食店経営者も多くいますが、これが一番混乱を招く原因になります。

チラシを見た近隣住民の方は、「あ、あそこは工事をしていると思ったけど、〇〇屋ができるのか。半額で飲み食い出来るのならば、せっかくだから行ってみよう」と興味を持ち、実際に来店してくださります。

店につくと店外まで行列が伸びているのを見て、「せっかく来たし半額だから待ってでも食べてみるか」と行列最後尾に並び始めます。

店内では、せっかく半額だからと、想定していた「1人あたり2品くらいのご注文はいただけるだろう」というものを大きく超える「1人3.5品平均」など品数をお客様が注文してくれます。

これによって、ホールもキッチンもレジも大混乱が起こるのです。

・ホールではハンディの使い方に慣れていないスタッフが、何度注文内容を入力しようとしてもできずお客様をお待たせしてしまい
・キッチンは調理内容にも厨房導線にも慣れていないため調理がなかなか終わらず
・悪戦苦闘して作った料理もデシャップに上がったままホールが運んでくれないので冷めてしまい
・その冷めた料理を運ばれたお客様からクレームがでるため調理し直しが発生して
・クレームが発生したから調理しなおしたのにその金額が請求内容に反映されてしまっていてまたクレームになり
・レジでのキャンセル処理がスムーズにできないためにまたそのお客様が激高されてしまい
・そのやりとりを見ていた行列客が待ちきれず文句を言い始め・・・

というような流れで、マイナスがマイナスを生むデフレスパイラルに突入してしまうのです。

プレプレオープンをしてみよう

このように、慣れていない店・スタッフでいきなり一般客を迎えてグランドオープンをしてしまうこと、またさらに半額キャンペーンで必要以上に多くのお客様を呼び込んでしまうと、クレームが多く発生してしまいます。

そのクレームを目の当たりにしたお客様の心には「この店はバタバタしているしお客様を大事にしないし、最悪の店。今日は半額だから来たけど、もう二度と来ることはないだろうな」とマイナスの感情が刻まれてしまいます。

これでは、なんのために半額キャンペーンを行ったのかが分からないどころか、自らせっかくオープンした飲食店の評判を落としてしまっているようなものです。

このような状態を作らないためにも、新規開業する飲食店では「プレプレオープン」をすることをお勧めします。
グランドオープンをする前にプレオープンをする、さらにその前にプレプレオープンをしましょう、ということです。


プレプレオープンとは、「親しい仲間やスタッフの家族など、とにかく間違いや失敗をしてしまっても笑って許してくれるお客様を呼んでオープンの混乱を体感してみる」という企画です。


レジ受付などの混乱も体感するために敢えてお会計までお客様にしていただきますが、もちろんその全額を返金して差し上げてください。あくまでも混乱を体感することが目的で、売上を上げることが目的ではありませんので。

ただで仲間をおもてなしした上で、「あえてどんな些細な内容でも良いので、店にダメだしをしてください」と「ダメだしシート」をお渡しして、クレームをつけてもらってください。

ファーストドリンクの提供が遅い、料理の盛り付けがメニューと全く違う、先に注文したはずなのに、同メニューを注文した他のテーブルに先に料理を出されてしまった、レジ処理や領収書発行に時間がかかりすぎる、そもそも「美味しくない」など・・・

このようなダメだしをプレプレオープンを通じて敢えて仲間からもらうことで、グランドオープンまでにしっかりと軌道修正することが可能となります。

またプレオープンについては、店頭に「本日・明日のみ全品半額でご提供します。まだまだ不慣れなので、至らぬ点はご容赦願います」などのように、近隣にプレオープンを周知するのではなく、ひっそりと行ってみてください。

偶然店前を通りかかったお客様が入店してくれれば、そこは半額とは言え、ご自分の財布からお金を支払ってくださる「お客様」です。そのお客様に精いっぱいのおもてなしをすることを通じて、さらに店のオペレーションレベルをブラッシュアップしてください。


これらのプレプレオープン、プレオープンを経て、色々な課題を克服した飲食店のみが、大々的にチラシを撒いて「グランドオープン」をすれば失敗する確率はグンと減ります。

HANJO集客に収録の「グランドオープン」テンプレートの一例
「おすすめメニューPOP」ひな形

当サイトでご紹介しているHANJO集客サービスでは、各業態グランドオープンPOPのひな形を提供しています


長く続くお店づくりをするためにも、せっかく開業する飲食店だからと最初から多くのお客様を呼び込みたい気持ちはグッとこらえて、しっかりと準備をなさってくださいね。

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