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事業計画書を作成する

競合店調査でエリア内のニーズをチェック

事業計画書は、融資を受けるために必要な書類であるとともに、これから始める事業を軌道に乗せ、順調に成長させる道程を明確にするためのものでもあります。

ですから、その確度や信頼性が高ければ高いほど、融資は希望に近づき、事業の安定や成長にもつながると言えるでしょう。

5つの書類をしっかりと準備する

開業時の事業計画書は、主に次の5つの書類で出来ています。

(1)創業計画書
(2)事業概況
(3)売上高・人件費予測
(4)損益計算書
(5)資金繰表

(1)の創業計画書は、各金融機関で形式が異なりますが、内容はほぼ変わらず開業の目的や動機、事業経験、扱う商品やサービス、必要資金や調達の内訳、売上高予測・事業の見通しなどです。つまり、(2)~(5)の書類のポイントをまとめたものとなるわけです。

ここで確認しておきたいのは、(1)~(5)の書類をしっかりと揃えておくことが大切だということです。融資担当者は審査の際、(1)の創業計画書をもとに起業者へ様々な質問をしてきます。その際、口頭だけでは納得を得るだけの回答をするのが難しくなり、結果として希望額の融資を得られず、資金調達に長期間かかってしまうケースがあるのです。

このような事態を避けるため、書類はすべて準備することが必要です。
売上高・人件費予測、損益計算書、資金繰表の3つの計算書類が開業時における事業計画書の柱となるため、まずこれらを最初に作成しましょう。

また、各書類のデータの整合性をとるために数値の再検討を重ねることとなるはずですので、事業計画書の作成期間は1ヵ月程度みておくのが無難です。

融資審査の際には、各計算書類に示したデータを裏づける資料などを準備して臨めば、事業計画の説得力が増すでしょう。

事業概況にはコンセプトシートを活用

次に(2)事業概況についてなのですが、これは開業準備の初期の段階で作成した「コンセプトシート」をベースに作成できるため、それほど時間はかかりません。

ただしコンセプトシートの内容・データは、立地や営業時間、客単価、家賃、店舗規模、メニュー構成など、準備を進める中で随時更新を重ねていく必要があります。

たとえば想定客単価が、ベンチマーク店との比較により高すぎだと判断した場合、商品構成や価格設定などを見直して調整します。また物件についても、理想より小規模となってしまった場合には、従業員数を減らしたり、小さくなる売上げをカバーするため営業時間を延長するなど、損益計算書(簡易版)を振り返りながら修正します。

こうして更新を重ねたコンセプトシートは事業概況に活用でき、続いてそれを(3)~(5)の各計算書類作成に使用していきます。

売上高予測はデータを細分化し根拠を準備する

(3)の売上高・人件費予測のうち売上高予測については、1日当たりの売上高予測から算出することと、アッパー(目標月商)、ミドル(標準月商)、ボトム(最低月商)の3段階で設定しておくことが重要です。

下記の表は居酒屋開業の売上高予測です。月商はミドルで約230万円。1日当たりの売上高予測は月曜~水曜、木曜・金曜・祝前日、土曜の3通りを想定し、さらにそれぞれ時間帯別の客数を設定して導きだしたものです。

売上高予測(ミドル)

月曜~水曜単価(円)客数(人)客席数(席)回転数(回)合計(円)
17時30分~19時 2,800 4.8 24 0.2 13.440
19時~22時 2,800 19.2 24 0.8 53.760
22時~0時 2,800 4.8 24 0.2 13.440
1日当たり売上高合計 80,640
木曜・金曜・祝前日単価(円)客数(人)客席数(席)回転数(回)合計(円)
17時30分~19時 2,800 9.6 24 0.4 26,880
19時~22時 2,800 28.8 24 1.2 80,640
22時~0時 2,800 4.8 24 0.2 13,440
1日当たり売上高合計 120,960
土曜単価(円)客数(人)客席数(席)回転数(回)合計(円)
17時30分~19時 2,800 2.4 24 0.1 6,720
19時~22時 2,800 14.4 24 0.6 40,320
22時~0時 2,800 4.8 24 0.2 13,440
1日当たり売上高合計 60,480
月間売上高月~水木・金、祝前合計(円)
967,680 1,088,640 241,920 2,298,240
季節指数月間売上高備考イベントなど)
1月 1.1 2,528,064 新年会
2月 0.8 1,838,592
3月 1.2 2,757,888 送別会
4月 1.2 2,757,888 歓送迎会
5月 0.9 2,068,416 GW休暇
6月 1.0 2,298,240
7月 1.0 2,298,240
8月 0.9 2,068,416 お盆休み
9月 1.0 2,298,240
10月 1.0 2,298,240
11月 1.0 2,298,240
12月 1.5 3,447,360 忘年会
年間売上高 28,957,824

客数予測では、ベンチマーク店の時間帯別客数とエリア動態調査で得た店前歩行者数の変化を加味。
データを細分化し、根拠となる資料を準備しておくことで、予測の説得力が大きく高まります。

時間帯や時期による特性にも配慮

事業モデルによっては、時間帯で客単価を変える必要も起ります。たとえば事例の営業時間は0時迄ですが、深夜営業を加え2軒目ニーズを取り込もうとした場合、その時間帯は客単価を2800円より低く設定します。

標準月商が決まったら、そこから月別の売上高を算出しますが、これは資金繰表の精度を高めるのが目的です。

事例の店舗はオフィス街でサラリーマン・OLがターゲットですから、忘年会・新年会シーズンや歓送迎会シーズンには増収が見込めます。さらに時期に合わせた宴会メニューや販促計画を資料にまとめておくとよいでしょう。

逆に売上ダウンが予測されるのは、繁忙期の谷間の2月、休日が多い5月・8月です。こうした月ごとの特性から季節変動の数値を設定し、各月の売上高を算出します。

同様の工程でアッパーとボトムの予測も算出します。ボトムでは資金繰表で資金ショートに陥らないよう十分考慮します。

売上高予測(ボトム)

月曜~水曜単価(円)客数(人)客席数(席)回転数(回)合計(円)
17時30分~19時 2,800 2.4 24 0.1 6,720
19時~22時 2,800 14.4 24 0.6 40,320
22時~0時 2,800 4.8 24 0.2 13,440
1日当たり売上高合計 60,480
木曜・金曜・祝前日単価(円)客数(人)客席数(席)回転数(回)合計(円)
17時30分~19時 2,800 9.6 24 0.4 26,880
19時~22時 2,800 24 24 1.0 67,200
22時~0時 2,800 4.8 24 0.2 13,440
1日当たり売上高合計 107,520
土曜単価(円)客数(人)客席数(席)回転数(回)合計(円)
17時30分~19時 2,800 2.4 24 0.1 6,720
19時~22時 2,800 12 24 0.5 33,600
22時~0時 2,800 2.4 24 0.1 6,720
1日当たり売上高合計 47,040
月間売上高月~水木・金、祝前合計(円)
725,760 967,680 188,160 1,881,600

多店化を考える起業者は、アッパーの業績で出店計画を立てるとよいでしょう。
1号店の借入金を返済しながら資金を蓄えるのに、どの程度の期間が必要か検証します。

開業予定の方、創業計画書を作りたい方は OAGコンサルティングへご相談下さい。

※本コラムは株式会社OAGコンサルティングからの寄稿です
投稿:2016年6月

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