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店の骨格・コンセプトづくり 第2回

売上は[客単価×1日客数]で精度の高い予測を実現

コンセプトシートを作成したら、次に策定した事業モデルが収益を上げられるか検証するため、簡単な損益計算書を作成します。

手順は①経費を見積もる②1日当りの売上予測を出す③損益を計算する、となりますが、ここには注意しなければならない点が2つあります。

まずひとつ目は、売上予測を必ず「客単価×1日客数」で算出すること。目標月商で算出すると誤差が大きく具体的な規模・数字が見えてきません。

例の店舗規模12坪24席の居酒屋で試算してみましょう。
一見「目標月商300万円」と見積もっても問題ないように思えますが、
客単価2800円・月25日営業で1日当りのお客様を算出すると
[300万円÷2800円÷25日=42.8人]、つまり1日平均42人以上が必要になります。

この数字ではすべての客席を1日約1.8回転させる必要があり、回転率の低いテーブル席の設置も考慮すると、およそ現実的な数字とは言えなくなります。
なので、まず客席の回転率から「1日の客数」を求め、さらに曜日別の日商を算出。そこから、精度を持った月商を導き出すことが重要なのです。

損益計算書(簡易版)のつくり方

① 経費見積りを出す

経費見積り(月額)
人件費合計 798,000円
オーナー収入 350,000円

オーナーの収入は、損益を明確にするため固定化します。
できれば前職の収入にこだわらず、事業が軌道に乗るまで約1年程度は、生活を保てる程度に設定するのがよいでしょう。

社員 250,000円
アルバイト
(1日6時間勤務)

賃金
(時給1,000円)

198,000円
総労働時間 198時間
木・金
(2人体制)
96時間
上記以外
(1人体制)
102時間

アルバイトは曜日や時間帯を踏まえて、人数と総労働時間を算出します。時給は出店予定エリアの同業求人広告などを参考にするとよいでしょう。

固定費合計788,000円
家賃 350,000円
水道高熱費 100,000円
その他諸経費 200,000円
借入金返済 138,000円

減価償却費は正式には経費扱いとなりますが、借入金返済金とすれば、資金の流れが掴みやすくなります。
1ヵ月の借入金返済額は[借入金×利率÷返済年数÷12ヵ月]で算出できます。例の数値は、年率3%・5年返済を仮定したものです。

ボトム(最低月商)でも収益の出るモデルづくりを

ふたつめのポイントは、損益をアッパー(目標月商)、ミドル(標準月商)、ボトム(最低月商)の3段階で算出しておくことです。
開業前には期待・希望もふくらみますが、いざ開業すると1年目は何かとトラブルも多く、業績も不安定になりがちです。

逆風の時、資金繰りばかりに時間を取られていては、業績回復は思うように進みません。
この事態を避けるため、ボトムのラインでもきちんと利益を確保できる事業モデルにしておくことが重要です。

もしボトムで赤字が計上される場合は、④経費見積の見直しを行います。例ではボトムで34,208円の赤字となりましたが、オーナーを含めた人件費と家賃を見直すことで、ボトムでも利益の得られるよう修正しました。
年度末には負担の大きい納税も控えますので、この見直し・修正を行わずに事業に乗り出していれば、いずれ資金ショートに陥りやすい計画だったわけです。

②1日当りの売上予測を出す

1日当たり売上高
売上高 客数 客単価
1日客数 席数 回転率
アッパー 木・金 134,400円 48人 24席 2.0 2,800円
上記以外 94,080円 34人 1.4 2,800円
ミドル 木・金 120,960円 43人 24席 1.8 2,800円
上記以外 80,640円 29人 1.2 2,800円
ボトム 木・金 107,520円 38人 24席 1.6 2,800円
上記以外 67,200円 24人 1.0 2,800円

アッパーでは、目標月商からの逆算で回転率を導き出し、それを達成確度高めに調整した数字。ミドルは、営業を軌道に乗せることで達成可能な回転率。ボトムは、最低維持すべき回転率を想定し、そこから1日当りの売上高を算出。
売上高は、1日の客数×客単価まで落とし込み計算することで、店舗運営のイメージが具体的に掴めるようになります。

③ 損益を計算する

売上高※1売上高増減率売上原価
(原価率30%)
人件費
(社員)
人件費
(アルバイト)
固定費損益
アッパー 2,674,560円 114% 802,368円 600,000円 198,000円 788,000円 286,192円
ミドル 2,338,560円 100% 701,568円 198,000円 50,992円
ボトム 2,002,560円 86% 600,768円 48,000円※2 -34,208円

※1. 月25日営業(木曜、金曜8日、それ以外17日)で算出 ※2. アルバイト木曜、金曜1人、それ以外は0人で算出

1日当たりの売上高から月商を算出。そこから売上原価、人件費(社員、アルバイト)、固定費を引けば損益が出てきます。
前にも述べました通り、ボトムの売上高でも資金ショートを起こさないよう損益がマイナスにならないモデルづくりが大切です。
例のようにマイナスとなってしまう場合は、経費の見積りなどを見直します。

④ 経費見積りを見直す

経費見積り(月額)
人件費合計 668,000円 家賃 300,000円
オーナー収入 250,000円 水道光熱費 100,000円
社員 220,000円 その他諸経費 200,000円

アルバイト
(1日6時間勤務)

賃金(1000円) 198,000円 借入金返済 138,000円
総労働時間 198時間
木・金(2人体制) 96時間
上記以外(1人体制) 102時間

開業予定の方、創業計画書を作りたい方は OAGコンサルティングへご相談下さい。

※本コラムは株式会社OAGコンサルティングからの寄稿です
投稿:2015年11月

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