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FD比率を把握することで売上予測精度をアップする

FL比率だけでなくFD比率を考えてみる

飲食店を経営している(しようとしている)方ならば、「FL比率」という、売上高に占める食材原価と人件費の割合については耳にされたことがあるかもしれません。
もちろんFL比率が飲食店にとって最も大事な指標の一つであることに間違いはありませんが、今後は「FD比率」にも注目してみられたらいかがでしょうか?
FD比率とは、Food・Drink比率のことで、売上に占める食事と飲み物の割合がどれくらいか、という考え方です。
(FD比率についてはこちら

飲食店にはさまざまな業態がありますが、その業態ごとに、FD比率がどれくらいなのかという実績を把握しておけば、自店の経営予測も立てやすくなるでしょう。

飲食店の主要業態別FD比率の実績を見てみると、なかなか興味深いデータとなりました。
最もフード比率が高かったのはラーメン店で、フード95.4%:ドリンク4.6%となっています。
カレー店はフード88.7%:ドリンク11.3%となっています。ラッシーやビールなどを積極的に販売している結果でしょうか?

比較的フード比率が低かったのはカフェで、フード69.3%:ドリンク30.7%となっています。お食事のお客様にも、しっかりとドリンクのアプローチが出来ていることと思われます。

立ち飲み店のフード比率が62%もある、ということは驚きですね。
ここ数年の間で立ち飲み店の数が急増していますね。

ほんの少し前までは、立ち飲みというといわゆる「角打ち(かくうち)」と呼ばれている、酒屋の店頭でお父さんたちが安い酒をあおるというイメージが強かったでしょうが、最近できたお店は少しおしゃれで、若い女性が1人でフラッと入ってきても全く問題がない店舗が増えてきたようです。若い人たちをターゲットにする場合には、単純に酒屋の冷蔵庫で冷えているお酒を提供するだけでなく、しっかりとしたアテ(料理・おつまみ)を充実させ、「軽い食事をとりながらお酒を楽しむ」というイメージを打ち出したほうが流行るのでしょうね。

立ち飲み店が林立している今、お酒の種類や安さのみで他店との差異化を図るのではなく、料理の種類と味で勝負をしていくお店が今後も増えていくことでしょう。
恐らく来年以降は、立ち飲み店のフード比率は現在の62%よりも更に伸びていくと思われます。

飲食店経営には「デジタルの視点」を持って臨むことが非常に重要です。
すでに飲食店を経営されている方は、日本の飲食店の業態別FD比率の実績を見て、自店との差異を見つけてみてください。
これから開業しようとしている方は、「平日の売上目標、20万円」というように目標を立てるだけではなく、「平日の売上目標はフード16万円、ドリンク4万円、合計20万円」というように、しっかりとFD比率を意識して売上目標を立てられることをおすすめします。

 

  売上比率
業態 フード ドリンク
ラーメン 95.4% 4.6%
うどん 89.6% 10.4%
カレー 88.7% 11.3%
カフェ 69.3% 30.7%
居酒屋 65.5% 34.5%
焼鳥 62.1% 37.9%
立ち飲み 62.0% 38.0%
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