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飲食店の出店は、立地特性の把握が必須

「人がたくさんいるから繁盛しそう」は危険

飲食店を開業しようと不動産屋さんに相談をすると、条件を聞いた上でいくつもの候補物件を紹介してくれると思います。
その際に「この店はいいですよ。大学が近くにあるし、いつも店前の道路は賑わっています」とすすめられたらどう思いますか?
パッと聞くと、店前通行量が多いのならば飲食店の出店エリアに向いてそうだと思いますよね。でも、ご自身が開業されようとしている「業態」とその店前通行人のタイプは合っていますでしょうか?

例えば、想定客単価が7~8千円程度の大人向け高級焼肉店を開業するとしましょう。
この場合は、どんなに店前通行量が多くても、その大半が大学生の場合、来店してくださる期待値は低いですよね。また、仮にその店舗がベッドタウンの駅にあり、その駅の毎日の乗降客数が約1万人とかなり多い場合でも、ファミリー層・若年層が多いと想定されるため、やはり高級焼肉店のお客様にはなってくださらないでしょう。

この高級焼肉店の場合、狙うべき出店エリアはどのようなところなのでしょうか?

立地には大きく3種類ある

「立地」の種類としては、以下のように大きく3つあります。
①オフィス立地 ②住宅立地 ③商業立地
それぞれ、①働いている人がどれだけいるか ②住んでいる人がどれだけいるか ③その土地に訪れる人がどれだけいるか という視点で見ますが、最も大切なことは「自店のお客様になってくれるだろう人がどれだけそこにいるか」ということです。
自店のターゲット客層ではないお客様がどれだけそこにいても、集客には全くつながらないですからね。
先ほどの高級焼肉店の場合は、

  • 客単価7~8千円程度出しても問題が無い人たちが
  • ディナータイムに多く店舗周辺にいる
  • できれば競合店が少ない

という立地に出店すると良いでしょう。この条件を満たすのは、①のオフィス立地と言えます。オフィス立地ですから、近隣はオフィスだらけで競合店は比較的少ないはずです。また、個人の財布から8千円を出すのは痛いけれど、接待に使う場合では安いくらいだと感じられるでしょう。
つまり、「得意取引先を接待する際に使ってもらう」ことを狙ってオフィス立地に出店をすれば、この高級焼肉店は売上を伸ばせるかもしれないということですね。

競合の有無を調査する

「このエリアならば自店と合いそうだ」というところが見つかったら、物件探しに入ってください。物件候補が出てきたら、商圏内の競合店調査に移ります。
よっぽど魅力的な店でない限り、お客様は飲食店に行くためには5分程度しか動かないと言われています。徒歩で5分ならば分速は80メートルですので、400メートル程度です。
候補物件から徒歩5分、400メートル程度の範囲に、自店の競合となり得るお店がどれだけあるのか、そのお店は集客できているのか、などを調べてみてください。出来れば実際にお客様としてその店で食事をしてみたほうが良いですね。
自店商圏内にあるそのお店がかなり強いようでしたら、その出店エリアは諦めて他の物件を探しにいったほうが良いかもしれません。特に長い間その地元で愛され続けているお店の場合、ポッと似たようなお店が出来たとしても、お客様はなかなか浮気をしてくださらないですからね。
また、逆の視点で「自店の集客を手助けしてくれそうな店舗は無いか?」ということも見てください。例えば近隣に映画館やショッピングセンター、有名アパレル店などがある場合は、お客様の来店が期待できます。
面白い取り組みとしては、とある喫茶店は、近隣の行列ができる焼肉店の「ウェイティング喫茶店」として大繁盛しています。その焼肉店では、近隣からのクレームを抑えるためにお客様には店前に並んでいただかずに、隣の喫茶店と提携してお客様にその店の中で待っていただいているのです。お客様は焼肉を召し上がった後に喫茶店の領収書を見せれば、1杯につき100円分を割引してもらえるため、多少お金がかかっても喫茶店で喜んで時間をつぶしてくださるのです。

このコラボレーションは、喫茶店側から焼肉店に提案をすることから生まれたそうです。
エリア特性を掴み、自店との相性を検討し、良さそうな物件を見つけた後はしっかりと競合調査を行い、「イケる!」と思った後はさらに近隣とのコラボを模索していく。繁盛している飲食店は、このようなプロセスをしっかりと踏まれています。

まずは、開業しようとしている店舗のコンセプトとターゲットを明確にして、「そのターゲットが多くいる立地はどこか」ということを考えるところから、出店エリアの検討をし始めてみてください。

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