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飲食店の開業準備はコンセプトを7W2Hの視点で考える

コンセプトが明確でない飲食店は開業できない

飲食店を開業しようとする人は、「私はカフェが好きだから」「俺はラーメンが好きだから」という理由から「自分で飲食店を経営してみたい」と思われるケースが多いことでしょう。
でも、お客様として好きな業態の店舗巡りをしているのと、自分が経営するのとでは、訳が違います。

飲食店を開業しようとするのならば、まずは「店舗コンセプト」の作成を綿密に行うことをおすすめします。
店舗コンセプトとは、「どんな飲食店にするか」ということです。
「ラーメン屋」という業態ではなく、どんな特徴を持ったラーメン屋なのか、自分の店舗イメージをしっかりとブレイクダウン(細分化)して紙に落とし込むことが重要です。

中学校の英語の授業で5W1Hという視点を習った方が多いと思いますが、店舗コンセプトを考える際にはその5W1Hをさらに進化させて、7W2Hの視点で展開していきましょう。

①Why・・・なぜ、何のためにその店を開業するのか?
②When・・・いつ、いつまでにその店を開業するのか?
③Where・・・どのエリアのどんな立地、どんな店舗でその店を開業するのか?
④Who・・・誰がどんなメンバーとその店を開業するのか?
⑤Whom・・・どんなターゲット層を狙ってその店を開業するのか?
⑥What・・・どんなメニュー構成でその店を開業するのか?
⑦Which・・・どのメニューをイチオシにしてその店を打ち出していくのか?
⑧How・・・どのようにしてその店を世の中に広めていくのか?
⑨How much・・・どれくらいの時間とお金をかけてその店を開業するのか?

飲食店は参入障壁が非常に低いと言えます。数百万円の開業資金をかき集めれば、ラーメン屋などはオープンできてしまいますからね。でも、その参入障壁が低いがために、あまり深く店舗コンセプトを考えずに見切り発車(開業)してしまう方が多いのも事実です。
まずは「俺は(私は)なぜ、何のためにその店を開業しようとしているのだろうか?」をしっかりと考えてください。

Why・・・なぜ、何のためにその店を開業するのか?

「親の遺産が手に入ったからなんとなく飲食店でもやろうかなと思って」などという曖昧な動機では絶対に成功しません。「ラーメンが好きだから」という理由ならば、開業をせずにずっとラーメンフリークでいればいいだけのことです。
ここに熱い想い、強い意志が無ければ、開業は控えられることをおすすめします。

When・・・いつ、いつまでにその店を開業するのか?

「良い物件が見つかったら開業する」のではなく、明確に開業スケジュールを決めて、必死になって店舗物件を探してください。中途半端な心構えでは良い物件にはたどり着けません。

Where・・・どのエリアのどんな立地、どんな店舗でその店を開業するのか?

飲食店の成功の可否は店舗立地にあると言っても過言ではありません。自店の業態、主力メニューとそのターゲットとなる方が多くいらっしゃるエリアと立地、店舗タイプを検討してください。
「サラリーマンが集まるエリア」ではなく、「神田駅もしくは秋葉原駅から徒歩5分圏内の、駅に向かう人が抜け道として利用するような細道の路面店。空中階と地下階は絶対にNG。」などと明確にすべきです。

Who・・・誰がどんなメンバーとその店を開業するのか?

自分1人ではお店はまわせません。社員数、アルバイト人数など、その店を運営するために必要な人数や出来れば顔も思い浮かべてみてください。

Whom・・・どんなターゲット層を狙ってその店を開業するのか?

近隣オフィスに勤める20代・30代のサラリーマンとOL。客単価は2,200円。営業時間は16時30分~24時30分(終電)まで。月間売上340万円

What・・・どんなメニュー構成でその店を開業するのか?

ドリンクは超炭酸ハイボールとレモンサワー(各300円)が中心。フードは手仕込みのやきとん10種類(ハツ、レバー、タン、テッポー、カシラ、シロ、ハラミ、ナンコツ、アブラ、マメ 各100円)と鶏スープラーメン
FL比率は58%(F32% L26%)、FD比率は70:30

Which・・・どのメニューをイチオシにしてその店を打ち出していくのか?

やきとん8種盛とドリンクのセットで1,000円のほろ酔いセット。18時まで会計と22時以降来店で2ドリンク目サービス。

How・・・どのようにしてその店を世の中に広めていくのか?

千円でほろ酔い、2千円あればベロ酔いという「ニセンベロ」をコンセプトに打ち出す。店名もニセンベロ。

How much・・・どれくらいの時間とお金をかけてその店を開業するのか?

開業資金は700万円(物件取得費250万円、内外装工事費300万円、厨房設備費150万円)、運転資金に300万円。家賃は坪2.5万円以内で12坪程度。家賃上限30万円。
開業は2017年10月末まで。
カウンター12席+スタンディングテーブル4人席×3 1日2.2回転

さらに詳細にコンセプトを詰めておく

上記7W2Hの視点は最低限考えておかなければならない内容です。
さらに、「回転率を高めるため」「客単価を高めるため」「リピート率を高めるため」「土日の落ち込みをカバーするため」などの各種施策も考えなければなりません。

「飲食店を開業したい」という漠然とした考えからスタートするのではなく、ぜひ頭の中にある具体的なコンセプトを紙に落とし込んでみてください。
金融機関に対する融資申請をする際にも、このコンセプトシートを提出すると承認率が高まるかもしれませんよ。

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