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ショットバーは「そこでお酒を飲む価値」をしっかりと定義する

同じ酒は自宅でも飲める

ショットバーやオーセンティックバーを経営している方は、大変な時代ですね。
昔と違い、大抵のお酒の市場価格は、ネットで検索すればすぐに分かってしまうご時世ですからね。

つい10数年前までは、「多くの本格的なお酒がそろっているバー」は、それだけでお客様の満足度をアップすることができました。
その頃はまだネットが普及しておらず、珍しいお酒を見つけたお客様は、「自分だけが偶然バーで出会ったお酒」に満足して、多少値段が張っても楽しくお酒を召し上がってくださったからです。

でも今は、違います。
バーカウンターに並んでいるお酒を見たら、サッとスマホで市場価格を検索されてしまいます。
「え、ボトルで2,000円もしないお酒なのにワンショットで800円も取られるの?バカバカしい。だったら今度どこかで買って帰って自宅で飲めばいいや」
などと、市場価格と店舗提供金額のギャップをサッと調べて、あまりにもかい離が大きい場合には頼む気力をなくしてしまうのです。

付加価値をどこにつけるか

確かに、自宅で飲めばワンショット数十円程度で飲めるお酒を、その何十倍も払ってバーで注文する、ということは、冷静に考えると抵抗感が出てきてしまいますよね。
でも、例えば自宅の蛍光灯の下ではおいしそうに見えないウイスキーも、バーの照明のもとでは琥珀色に輝いて見えたりするものです。

氷一つとっても、自宅の冷蔵庫で作られた白くなってしまっている氷ではなく、バーテンダーがしっかりとピックで削って作った透き通った丸い氷で飲むトワイスアップは、また各段とおいしく感じられることでしょう。

アイラのシングルモルトが入れられたグラスはバカラのマッセナ タンブラー。きわめて小さな音でJBL 4312M II から流れているのはTom WaitsやDonny Hathaway。
隣の客が吸っているのはマスターが年に1回キューバに行って直接仕入れてくるCOHIBA。このバーでは紙タバコは禁止ではないが、パイプか葉巻を推奨している。
火を使った料理はないが、燻製された鴨肉やジビエなど、他のバーでは出てこない、ちょっと気の利いた一品を揃えてくれている・・・

お客様の琴線に触れるのが、これらのどの項目かは誰にも分かりません。
でも、それらのすべてが調和し、お客様がバーでお酒を愉しみたくなるような世界観が創れれば、「これは自宅で飲んだら・・・」などと野暮なことは言われずに、きっと何度も何度もあなたのお店に通ってくださることでしょう。

お客様の好みは必ずメモをする

本当に一流のバーテンダーは、一度でもお酒を提供したお客様の顔と好みを決して忘れないと言います。
仮に5年前に1度だけ出張先で訪れたことのあるオーセンティックバーがあるとしましょう。
5年ぶりに訪れたお客様が「マティーニ」と頼んだ瞬間に、バーテンダーが「前回同様、ベルモットは1滴のエクストラドライ・マティーニでよろしいでしょうか?」と冷静に確認することができれば、そのお客様は大きく喜ばれるに違いありません。

お客様の姿、仕草、持っている鞄や身に着けている時計、そして頼まれるお酒の順番など、そのお客様に関して得た情報をすべて、「頭に」叩き込んでください。
もちろん、閉店後に備忘録としてノートに情報を記したほうがベターですが、それよりも、お客様が目の前にいらっしゃるタイミングで、すべての情報をリンクさせて記憶に残してしまうのです。

このお客様のことを覚えておく能力は一朝一夕では身に付きませんが、一度でも身に着けた能力は、バーテンダーを引退するまで衰えることは決してないでしょう。

お客様がバーでお酒を愉しむ理由、その一つに、バーテンダーの存在がある、と言っていただけるように、日々精進していきましょう。

クラウドサービスも使える

最近はクラウドサービスでメモをできる機能がついているものも多く出ていますので、活用されるのも良いかもしれません。
できれば、メモと、当日の業績が連動して振り返りできるようなものを選ばれると良いですね。
紙のノートだと、10年前に来店されたお客様の情報を引き出したりするのが難しいですからね。

面倒で小難しい計算は自動化して、考えることに集中しましょう

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