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原価率コントロールの手法

原価率のコントロールレベルが最終利益を決する

会計のイメージ

ここのところの円安により、飲食店の原材料(食材)費が上がり、経営を圧迫し始めていますね。 更に、アジア諸国での牛肉消費量が高まっていることにより、特に牛肉の仕入れ原価が高騰してしまっています。
せっかく「熟成肉」や「肉を食べてダイエットをする」ことがブームになり、飲食店への集客数が伸びつつある時に残念なことです。

原価率=原価÷売上
原価=食材仕入れ価格×食材消費量

飲食店経営について最も重視すべき指標がFL比率ですが、食材費が高騰している中、原価率をいかに低く抑えていくのか、ということが最終利益を大きく左右します。

では、原価率が高くなってしまう要因として、どのようなことが考えられるでしょうか?
上記「円安」などは、店舗ではコントロールができない原価率アップ要因ですが、飲食店側でコントロールが可能な要因としては、下記のものが考えられます。

ポーションオーバー対策

とにかく、全てのメニューにおいて「食材利用の規定量」をレシピにしっかりと定め、遵守する必要があります。
例えば、ステーキのグラム数はしっかりと量っているのに、そこにかけるソースは「適量」とレシピに書いてしまうと、ポーションオーバーが発生しやすくなります。この場合は適量ではなく、「大さじすりきり1杯(15cc)」などと明確に書く必要があります。

食材廃棄ロス対策

とにもかくにも、「アニキの管理」と食材の棚卸を毎日しっかりと行うことにつきます。
「アニキの管理」とは先に仕入れた食材は先に使うということを徹底する、ということです。
例えばイタリアンでトマトソースを仕込み、冷蔵庫に入れる際には、必ずバットごとに調理日付を書き、日付の新しいものは冷蔵庫の奥に、日付の古いものを冷蔵庫の手前に置き、使用順番を間違わないようにすることで食材廃棄ロスを防ぎましょう、ということです。

スーパーなどでは夜9時をすぎるとお刺身などに半額シールが貼られますが、飲食店舗でも同様に、足の早い食材については、割引をしてでも使い切り、ロスを少なくするなどの対策も有効です。
お客様が予想以上に多く入った場合のための「安心在庫」も原価率を高めてしまう要因となります。
日々食材の棚卸を行い、「余計なもの」を貯めこんでいないかを確認しましょう。

高原価率メニューのオーダー比率増対策

メニューのイメージ

対策を考える前に、飲食店においては、原価率を低く抑えることが大事ですが、「全メニューの原価率を30%以内に抑える」ことが大事ではない、ということを覚えておいてください。
看板メニューについては、原価率70%のものがあっても問題が無いどころか、それにより集客数が増えるのならば、積極的に高原価率メニューを作るべきなのです。

ただ、高原価率メニューは集客メニューですので、そればかりを頼まれてしまっては赤字になってしまいます。必ず低原価率メニューをセットでお勧めするなどして、原価をコントロールしていきましょう。
原価率が低く、お勧めしやすいメニューとしては、ソフトドリンクやメインメニューに追加するトッピングなどが挙げられます。

食材の仕入れ価格アップ対策

原価率を下げるために、野菜を直接農家から仕入れる店舗も増えてきました。
一般向けスーパーや八百屋などから野菜を仕入れるのでは なく、農家としても出荷が出来ないような「見栄えの悪い野菜」を格安で仕入れる契約を結んでおけば、原価率を下げることが可能となります。
店舗で調理して使う分には見栄えは全く問題ないですし、農家としても消費者向けには出荷できない野菜のため、低コストで買い付けても喜んでもらえます。

メニュー開発力も向上させる

野菜のイメージ

これまでお伝えしてきた対策以外に原価率コントロールをするためには、メニュー開発力が必要となります。

仕入れ価格が低い食材を使いながらもおいしく、お客様の不満足につながらないようなメニューを開発することで、原価率をうまくコントロールしていきましょう。
メニュー開発担当者は、競合店舗や料理番組などを常にチェックして、安い食材を使ったメニュー作りにアンテナを張っておくことが大切です。

また、食材や調味料を仕入れる際には、「この食材・調味料は複数のメニューに使いまわせるかどうか」を常に意識しておいてください。 食材ロスが減り、原価率を低くコントロールすることが可能となります。

原価率コントロールがうまく、儲かっている飲食店は、食材のストックルームや冷蔵庫・冷凍庫を見ると一発で分かります。 整理整頓がされ、「どこにどの食材があるのか」「アニキはどちらなのか」がすぐに分かるようになっているからです。

原価率コントロールは一朝一夕で実現することは難しいと言えますが、最終利益確保のためには、スタッフへの上記内容の意識づけも含め、継続的に実施し続けることが重要と言えます。

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