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雇用保険・社会保険ってどうするの? ~ 個人事業飲食店の雇用ルール

個人事業の飲食店が専従者(経営者の家族・親族)以外にアルバイト・パートさんを雇用する場合には、労働基準法や当局のガイドラインに沿って、適正に運用する必要があります。このコラムでは、個人事業の飲食店がアルバイト・パートさんを雇用する際のポイントをまとめています。
(※このコラムは2019年6月時点の情報を元に執筆しています)

1.お店の労働保険制度・社会保険制度加入のルール

個人事業飲食店の雇用ルール

社会保険とは、本来は雇用保険、労災保険、健康保険、介護保険、年金保険をすべて含んだ総称ですが、一般的には

  • 労働保険制度 ・・・ 雇用保険、労災保険
  • 社会保険制度 ・・・ 健康保険・介護保険・年金保険

というように分類される場合が多いことから、このコラムでは以下この一般的な分類に沿って記述します。

個人事業の飲食店が専従者以外にアルバイト、パートさんを雇用する場合、週所定労働時間が20時間以上の場合等一定の要件を満たしていれば、雇用保険の被保険者となり(昼間学生の場合は対象外)は、お店側でも雇用保険料負担が発生します。
労災保険については基本的に労働者を1人でも雇用する会社は適用され、保険料は全額事業主が負担します。パートやアルバイトも含むすべての労働者が対象です。
以上から、1人でも専従者以外の従業員を雇用すると、労働保険制度を考慮する必要が生じます。

一方、社会保険制度への加入は、個人事業の飲食店は社会保険加入については強制適用事業所の対象外のため、加入したい場合は従業員の半数以上の同意を得た上で事業主が適用の申請を行うことで「任意適用事業所」になることができます。社会保険料は、事業主と労働者が折半で負担します。加入しない場合は、お店側の社会保険料の負担は発生しません。
なお、後者の場合、アルバイト・パートさんは自分自身で国民健康保険や国民年金に加入し、保険料を納付することになります(収入が一定以下で、その両親や配偶者が一般企業等に勤めている場合、その扶養家族として社会保険制度に加入することも可能です)

算定基礎届や月額変更届など社会保険制度手続きに必要な計算と書類作成

2.就業規則の制定は事実上必須!

常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督 署長に届け出なければならないとされています。

社会保険労務士監修の、個人飲食店にフィットする就業規則や労働契約書兼労働条件通知書

3.原則、1分単位の勤怠管理が必要

労働基準法37条1項には、『時間外、深夜(原則として午後10時〜午前5時)に労働させた場合には1時間当たりの賃金の2割5分以上、法定休日に労働させた場合には1時間当たりの賃金の3割5分以上の割増賃金を支払わなければなりません』とあります。

  • 1日の労働時間は1分単位で計算しなければなりません。端数を切り上げることは問題ありませんが、切り捨てることはできません。

と記載されています。1日の労働時間について15分単位での四捨五入や切捨ては原則認められていません。認められるためには、あらかじめ労使間による労働協定の締結などが必要となります

例えば飲食店の営業時間は夜24時まで、もしくは日付を超えて翌日の朝5時までなど、夜22時を超えても営業を続けられている店も少なくありません。この場合、22時から翌朝5時までの間に働いてくれた従業員には「深夜労働」をしたことになります。また、飲食店が自店の法定休日を何曜日とするかは、それぞれのお店の判断となりますが、法定休日を設定した上で、実際は毎日営業する場合には、時間外、深夜、休日の割増を上乗せ計算する必要があります。

このように、法律が要請している割増と、1分単位の勤怠管理と、飲食店の時給設定と営業時間の掛けあわせで、飲食店の給与計算は非常に複雑ですが、専従者ではない、アルバイト・パートさんを1人でも雇った以上は対応が必要になります。

HANJO給与の簡単ご利用方法

4.源泉所得税の徴収・納税・年末調整

アルバイト・パートさんへ支払う給与から源泉徴収として差し引く所得税は、採用時に提出してもらう扶養控除等申告書と、「〇年分源泉徴収税額表」を見て確認します。ここで重要なのは、スタッフさんから扶養控除等申告書を提出してもらっていなかったら、税額表で見る欄は「乙」欄となり、提出してもらっていたら見る欄は「甲」欄となることです。
税額表をみていただくとわかりますが、扶養控除等申告書を提出してもらわない乙欄の場合は、差し引く税額が甲欄よりもずっと多くなっています。つまりスタッフさんの手取り額が少なくなります。入社したらすぐに扶養控除等申告書を渡して記入してもらい、回収することを習慣にしておくとよいでしょう。

そして、アルバイト代、パート代から差し引いた所得税は、飲食店経営者のあなたが税務署に納めなければなりません。
納めるときは、「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」を使います。この用紙は税務署に行けば誰でも入手できます。入手したら支給した給与の金額やアルバイト代、パート代、差し引いた所得税額を記入して、銀行や税務署にいってその合計額を納めます。納める期限は支給した月の翌月10日です。例えば9/25に支給したら、10/10までに9/25にアルバイト代から差し引いた所得税を納める必要があります。
なお、給与を支給するのがいつも10人未満の場合は税務署に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を届け出ると1~6月分を7/10に、7~12月分を翌年1/20までに納めることもできます。

また、年末調整は、役員又は使用人に対する毎月の給与等から源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の合計額と、その人が1年間に納めるべき所得税及び復興特別所得税額との差額を精算するものです。

年末調整については、青色事業専従者のみの場合(経営者が青色申告しているお店の専従者)も義務となります。源泉徴収額がゼロであっても、ゼロであった事実を源泉徴収票として作成し本人に発行するとともに、翌年1月31日までに税務署に提出する必要があります。

年末調整の計算と源泉徴収票

5.まとめ

なお、飲食店の人手確保、求人対策につきましては、別の記事で詳しく解説していますのでよろしければこちらもご覧ください。

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