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メニュー開発のポイントは「少食材数・多メニュー数」

儲けるためには食材数は少なく、メニュー数は多く

飲食店を開業する前にメニュー開発をしていると、「多くのお客様に喜んでもらいたい。そのためには、色々な好みを持たれている方々に対応できるようにメニュー数も多くしなければならない」と考えられることもあるかと思います。

でも、先に結論を言ってしまうと、「飲食店で儲けを出すためには利用する食材数は少なく、メニュー数は多くしたほうが良い」のです。

食材廃棄率を抑える

なぜでしょうか?理由は大きく3つあります。

1つ目は、使う食材が少なくすれば、ロスが発生しづらくなるからです
飲食店の経営指標の1つに「FL比率」というものがあります。簡単に言えば売上高の中でどれだけ人件費と食材原価費がかかっているか、という指標ですが、この食材原価費を上げてしまう要因の1つが「食材廃棄率が高い」ことです。

多くのお客様のご要望にお応えしたい。そのためにはメニュー数も多くしたい。メニューを多くするためには、様々な食材を仕入れ、保管しておかなければならない、となります。

しかしながら、実際にはお客様があまりオーダーされないメニュー用の食材も仕込む必要があるため、そのままその食材が古くなり、廃棄せざるを得ないケースが多いのです。


これように食材の廃棄率が高い状況では、飲食店経営を圧迫してしまいます。
使う食材数は極力絞り、調理方法やトッピング、盛り込み方などでバリエーションをつけることでお客様に飽きを感じさせない工夫が大切と言えます。

また、「同じ食材を使ってどれだけ多くのメニューを生み出せるか」という商品開発力も非常に重要になってきます。

例えば大根1つとっても、大根おろし、野菜スティック、炒めもの、煮物、飾り付けなど、多くの用途で使えます。
メニューを考えて、そのメニューをつくるために必要な食材を仕入れる、という順番ではなく、食材を原点に、その食材を使って何パターンのレシピ、メニューをつくれるか、という視点でメニュー開発を行ってみてください。

品質は高く、仕入れ値は安く


2つ目は、決まった食材を常に多く仕入れ続ければ、仕入れ値が安く、品質は高くすることが可能になるからです。

例えば先ほどの大根をずっと大量に使い続けるとします。大量に使う場合は近所のスーパーからではなく、農家から直接仕入れをすることも可能になります。
すると「〇〇飲食店さんはうちの大根をいつも大量に使い続けてくれるから、品質を落とすわけにはいかない」と、食材提供側も頑張ってくれる、という良い循環が生まれます。

お客様に覚えていただく


3つ目は、「あの店は〇〇がおいしいお店」としてお客様に認知していただきやすくなるからです。

ある飲食店では数十年間に渡り、「イワシ料理だけ」を提供し続けることで、ずっと繁盛しています。

イワシの刺身、イワシのなめろう、イワシのつみれ汁、イワシの燻製、イワシのかば焼き、イワシの南蛮漬け、イワシ茶漬け、イワシ鍋など、とにかく食材のメインをイワシに絞ることで、「あ、あのイワシがおいしいお店ね」とお客様に喜んで記憶してもらえるのです。



このご時世では、その昔百貨店の最上階にあった「万人受けするためにとにかく提供できるメニュー数を多くしたレストラン」のような飲食店を創っても、だれも評価をしてくれません。

「あ、なんか何でもあるけど全部中途半端な店だよね。メニュー数で勝負みたいな」という印象を持たれてしまい、「あの店に行きたい」とはならないのですね。
飲食店開業前にメニュー開発をしている方は、ぜひ「少食材数・多メニュー数」を意識してみてください。

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