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「効率的な従業員教育」。新人即戦力化のススメ

コストダウンを図るよりも、早期戦力化を図る

今、日本全国の飲食店で問題となっているのが、「人が採用できない」「採用した人がすぐに辞めてしまう」という点です。

高い時給を提示して募集をかけてやっと人が集まったとしても、初日、2日目ですぐにその人材が辞めてしまう、というケースも多いでしょう。

せっかく採用した人材がすぐにやめてしまう理由は大きく2つあるようです。

・仕事内容が面白くない (その割に時給が低い)

・しっかりと研修や教育をしてくれず、放置されたと感じる

つまり、自分の仕事にやりがいを見つけらないし、「社員さんも先輩も」誰も自分を相手にしてくれない、と感じられるようですね。


一方、最低賃金近くの時給で募集をした初心者人材でも、初日からしっかりと研修や教育をしてあげて、店側の期待レベルをしっかりと明示してあげれば、見る見るうちに戦力化してくれます。


これは、飲食店側が「スタッフに期待する発揮能力」を具体的に明示してあげることと、その能力を高めるためにしっかりとフォローをする担当とタイミングを決めてあげることで、実現できます。

曖昧な仕事の振り方をしていてはダメ

例えば、16歳になったばかりの、飲食店未経験新人スタッフが入店したとします。

多くの飲食店では教育に時間と心を費やす余裕がないため、経験のないスタッフに対しては、「どうせ何もできないだろう」ということから「初日は〇〇さんの手伝いをしてみてください。それで仕事の流れがなんとなく見えると思うので、細かい話は明日以降にしっかりとしましょう」などと、セミ放置状態で曖昧な仕事の振り方をします。

でも、スタッフに期待する発揮能力をはっきりと明文化している店では

・灰皿交換がスムーズにできる
・積極的にラウンドをして、空き皿などをトレーを使ってバッシングすることができる
・当店で扱っている肉の部位説明と産地説明がスムーズに行える

など、具体的に「その行動をしているシーンが頭に映像で浮かぶような」明示をしているため、そのスタッフがそのアクション項目をデキル、出来ないがはっきりとするのです。

これを「ラウンドってわかる?とりあえず何もできない内はホールをぐるぐるまわってみて。お客様から声をかけられたら対応して、分からなかったら社員か他のスタッフを呼んでね」などと曖昧な状態にしてしまうと問題が生じてしまうのです。

もし灰皿交換ができない場合は、「ホールマニュアルのP4に書いてあるから今確認してみてください。ポイントは灰が飛び散らないように、使っていない灰皿を上に重ねて交換することですよ」などのように具体的に指導をしてあげましょう。

トレーを使ってバッシングが出来ない場合は、「マニュアルのP5に書いてあります。トレー利用時は万が一のことを考えて、重いものを自分側に載せるのが鉄則です。このプラスチック製のウォーターピッチャーとコップで練習してみてください」という指導をしましょう。

お肉の部位説明・産地説明も同様です。「マニュアルのP6に書いてあります。部位や産地はお客様からよくいただく質問なので、メモを見ずに答えられるよう、早めに覚えて来てくださいね」という指導が良いでしょう。

つまり、「期待している行動がとれるか?」を確認して、「とれない場合はどのような姿が理想なのかを明示する」「その理想的な姿に近づくためのポイントを伝える」という流れで指導をしてあげると、未経験の新人でも早期戦力化が可能となります。

また、このような指導方法で育った人材は、次のスタッフを育てる際に「経験と勘」で行うのではなく「マニュアル」を使いながら行ってくれるため、次の世代を教育する際にも役立つのです。

ポジションごとに期待発揮能力を明示する

ホールだけでなく、厨房スタッフにもこの期待能力は明示してあげましょう。

・5種類のハンバーグを、レシピを見ずにそれぞれ注文から4分30秒以内に完成させることができる
・枝肉から各部位へのカットが1人でできる
・各部位ブロック肉から提供ポーションへの手切りを全種類行うことができる

などです。


企業では「人事評価制度」といって、昇給考課のための取り決めが多くされています。

ぜひ飲食店でもホール・キッチン・マネジャーなど役割ごとに「このような能力があったり、役回りを持ってもらえれば昇給の可能性がある」ということを明示して、人材教育をしていきましょう。


しっかりと教育をしないままアルバイト代を支払い続けるよりも、「即戦力化」ができるような仕組みやマニュアルを整えておくこと。

人材難の今、飲食店が生き残り続けるためには、後者を徹底していくことが重要と言えます。

タブレットで打刻管理。煩雑な給与計算を自動化しましょう

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