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飲食店を開業する際は「撤退条件」を決めておく

飲食店が成功する確率は残念ながら低い

これから飲食店を開業しようとしている方にとっては非常に残酷な話ですが、飲食店が開業してから3年以内の廃業率は約70%、10年で見ると90%の店舗が廃業に追い込まれていると言われています。
特に廃業に追い込まれやすい店舗の特徴は「個人で経営している20坪未満の小規模店舗」で、その多くはせっかくオープンしてから2年以内に廃業してしまうそうです。

では、なぜこのような小規模店は2年も持たずに廃業してしまうのでしょうか?
色々な理由が考えられますが、恐らく大きな要因の1つが、「経営のことをしっかりと勉強しないまま、なんとなく飲食店を開業してしまった」というものではないでしょうか?

オープン景気でお客様が続々とご来店してくださることを「自店・自分の実力」と勘違いしてしまい、接客がぞんざいになり経費もバンバン使う。
が、オープン後数ヶ月が経過したらお客様が一巡し、リピート客もついていないために、空席が目立つようになる。
そもそも開業前に入念な損益シミュレーションや不調時の売上回復方法についてしっかりと勉強していないがために、空席が目立ち始めても打つ手を考えられない。
それでも「店を続けていれば徐々に知名度があがり、なんとか軌道に乗るだろう」と安易に考え、知り合いに頭を下げて借金を積み重ねる。
結果、何の改善もされずに資金が底をつき、廃業に追い込まれてしまう。

しっかりと準備をせずに、思いつきや根拠なき自信のみで飲食店を開業してしまうと、このような残念なデフレスパイラルに陥ってしまいがちです。

開業前に撤退条件を決めておく

もちろん、どんなに大企業が運営しようが、人気のある有名人が運営しようが、お客様に支持されない飲食店は、潰れてしまいます。
せっかく開業したお店をたたむのは不幸なことですが、開業前に「どのような状態が続いたら(どのような状況に陥ったら)店舗閉鎖を意思決定するか」という撤退条件をしっかりと決めておくことにより、損失を少なく食い止める努力をしましょう。

例えば、
・赤字の月が12ヶ月間連続したら撤退
・累計赤字が1,000万円を超えたら撤退
・月間来店お客様数が1,000人以下の月が6ヶ月続いたら撤退
など、「この状況に陥ってしまったら、もう回復はできないだろう」という撤退条件を明確に決めておくことが重要です。開業前にこの条件を決めておかないと、いつか経営が上向くだろう、お客様が常連化してくれるだろうという根拠のない期待をしてしまい、撤退の判断がつかなくなってしまいます。

もちろん、経営不振により店舗を閉めるまでに、経営者であるあなたは累計で1,000万円、下手したら数千万円の負債を抱えているかもしれません。この借金を返済していくのは容易ではありませんが、ダラダラと赤字店舗を経営し続けていたら、さらに借金が膨らみ、最悪の場合は自己破産まで追い込まれてしまうこともあり得るのです。

調理技術だけでなく、経営をしっかりと学びながら店舗運営をする

このような悲惨な状況を生まないためにも、飲食店経営者は、調理技術を磨くだけでなく、競合他店の研究や、飲食業界以外の成功事例研究など、経営の勉強を継続的にし続ける必要があります。
数字が嫌いだから料理の世界に入ろうと思った、という人もいるかもしれませんが、店舗を構え、従業員を雇い、経済活動を回していくからには、経営の勉強は避けて通れません。
むしろ、もっと効率の良い飲食店経営の方法はないか、を模索して、今よりも少ない労力でより多くのお客様に喜んでいただき、自分の収入も増やしていく手法を編み出していけば良いのではないでしょうか。

飲食店を開業する前には、まずは撤退条件を明確に決めておくこと。そして、撤退などという誰にとっても不幸な状況を生み出さないためにも、毎日必死に経営について勉強し続けることをおすすめします。

数字が苦手という方は、後処理と言われる経営の数値計算や管理・分析をサポートしてくれるシステムを導入されても良いかもしれません。
ぜひ、色々なサービスを比較検討し、自分(自店)にあったサービスを見つけてくださいね。

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