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まかないは現物給与と認定されるケースがあるので要注意

従業員にまかないを支給する際は要注意

求人難の今、飲食店経営者の一番の悩みは、店舗で働いてくれる従業員が集まらない、ということでしょう。
時給を上げるだけでなく、「おいしいまかない付き」をウリに従業員募集をしている店舗も多いと思われます。
でも、まかないは、しっかりと支給条件を理解しておかないと、「現物給与」として、税務署から指導を受けてしまうこともあるので要注意です。
現物給与という言葉は聞きなれないかもしれませんが、「報酬や賞与の全部または一部が、通貨以外のもので支払われること」を指します。企業の社員旅行とか、メーカーが商品を社員に現物支給することなどをイメージしてください。
もちろん飲食店でしたら、食事ですよね。

国税庁のWEBサイトにはまかないについて、以下のように記載されています。

[平成28年4月1日現在法令等]
役員や使用人に支給する食事は、次の二つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されません。
(1) 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
(2) 次の金額が1か月当たり3,500円(税抜き)以下であること。
  (食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)
この要件を満たしていなければ、食事の価額から役員や使用人の負担している金額を差し引いた金額が給与として課税されます。

ポイントは、2つの要件をどちらも満たしていなければならない、という点です。
つまり、店舗でまかないを従業員に提供する際は、半分以上の金額をもらわないといけない。まかない代が月3,500円以上になる場合は課税対象ですよ、ということです。

実際のケースは?

例えば、1か月当たりの食事の価額が5千円で、役員や使用人の負担している金額が2千円の場合はどうなるでしょうか?
⇒食事の価額の5千円と役員や使用人の負担している金額の2千円との差額の3千円が、給与として課税されます。

ここで浮かんでくる疑問は「まかない価格(価額)ってどうやって決めるの?」ということでしょう。
国税庁はこの定義もしっかりとしています。

食事の価額とは・・・社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合には、食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額

で計算するそうです。また、自店で作ったまかないだけでなく、いわゆる「赤弁」と呼ばれる仕出し弁当を支給される店舗もあるでしょう。
仕出し弁当を仕入れている場合は・・・仕出し弁当などを取り寄せて支給している場合には、業者に支払う金額
を食事の価額として計算することになります。

今日は仕込みが忙しくてまかないを作っている時間がないから、コンビニで弁当を買ってきて食べてくれ!などの場合にも、そのお弁当の購入金額が食事の価額となります。

うちは個人経営の飲食店だから「美味しいまかない食べ放題」でしか従業員募集時のウリがないんだよな~というお店も要注意です。
しっかりとまかない支給のルールを理解して、追徴課税が発生しないように店舗運営をしていきましょう。

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