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飲食店が人時売上高を上げるためのポイント

飲食店はスタッフ人数だけを揃えても意味が無い

お客様満足度が低い飲食店においては、大抵が「サービスが悪い」「居心地が悪い」という評価をお客様から受けてしまっています。
店舗スタッフとしては少ない人数ながら一所懸命がんばっているにも関わらず「サービスが悪い」と言われるのは少しきついですね。

なぜこのように「サービスが悪い」という評価になるのかと言うと、「あの店は結構高いお金を支払わせるのに、ちっとも客の要望に応えてくれない」とお客様が感じているからです。
飲食店が注視すべき経営指標の1つに、人時売上高(にんじうりあげだか)というものがありますが、聞かれたことはありますでしょうか?

人時売上高とは

飲食店は「人時売上高」を重点経営指標として捉える

こちらのコラムでも紹介していますが、人時売上高という指標は以下のように計算します。

人時売上高= 店舗の月間売上高 ÷ 店舗の月間総労働時間

少し難しいので噛み砕くと、「今月の売上を立てるために、スタッフが全部で何時間働いたか」ということになります。もちろん、毎月だけでなく、毎週、毎日も見ていきましょう。

通常、飲食店ではより多くの売上高や粗利額を求め、その数字を伸ばそう伸ばそうとしますよね。でも、この人時売上高や人時生産性というのは、高ければ良いというものではありません。
目安として人時売上高は5,000円を目標としていただきたいのですが、その値が7,000円、8,000円となっている場合は、「売上高(お客様がお支払いただいている額)に対して十分なサービスを提供できていない危険性が高いかもしれない」という視点で振り返りをしてみてください。

冒頭でお伝えした「サービスが悪い」とお客様が感じられている店舗の分析をすると、個々のスタッフは頑張ってはいるけれど、店舗の利益を残すためにシフトを薄めにして(人数を少なくして)なんとか店を回している」ことが多くあります。
少ないスタッフで店舗を回せることは素晴らしいことですが、利益を追求するがあまり人を減らし、お客様のご要望に応えられず満足度が下がっていってしまっては、本末転倒と言えます。

具体的な計算式は

では、実際に毎月600万円売り上げている洋食店を例に人時売上高について考えてみましょう。 この洋食店では、毎日キッチン2名、ホール3名、合計5名が仕込みや後片付けも含めて毎日8時間ずつ働いています。

1日の総労働時間は8時間×5名=40時間、1ヶ月だと40時間×30日=1,200時間となります。
1ヶ月の売上高600万円を1,200時間で割ってみると、人時売上高はちょうど5,000円ということになりました。飲食店の人時売上高としては理想的な数字になっていますね。

せっかくなので、もう少し突っ込んで人時生産性についても計算してみましょう。
人時売上高に似た経営指標で人時生産性というものがありますが、これは売上高ではなく、粗利高(額)をベースに考えます。

人時生産性= 店舗の月間粗利高 ÷ 店舗に月間総労働時間

この洋食店のLabor(人件費)率は25%なので、1ヶ月の人件費は600万円×25%で150万円。逆に粗利高は450万円ということになります。
人時生産性は450万円÷1,200時間なので、3,750円です。

つまり、この店ではスタッフが1時間働くことで得られる売上高は5,000円、粗利額は3,750円ということになります。
仮に5名全員が時給1,000円のスタッフだとしても、各種保険、福利厚生、その他雑費も含めると、@1,200円くらいはかかっていることでしょう。1人のスタッフに1時間働いてもらうために1,200円がかかり、その労働により売上は5,000円、粗利は3,750円しか稼げないということは、よく見ると少し厳しいですね。残業代なども多く発生してしまいますからね。

実際に自店の人時売上高を計算してみよう

では、実際に自店の人時売上高を計算してみませんか? 売上や原価や粗利や人件費を全部ノートに書き出してみてください。その数値を全て電卓で叩いて・・・ ということはしないで結構です。

HANJO経営分析を使えば、日々の店舗運営結果から自動的に人時売上高を計算してくれるので、おすすめです。

レジを使っていない飲食店は少ないでしょうが、単にお金の出し入れを管理するだけの安い単体レジでは、自店の分析をするための情報が非常に少なく、十分な分析ができないことでしょう。
出来ればネットワークにつながっていて、各種クラウドサービスと連動させられるレジをご利用になることをおすすめします。

さらにHANJO経営分析は、HANJO会計やHANJO給与と連動して利用することで、画像にあるような売上・客数・客単価などの代表的な飲食店経営指標が自動計算されるだけでなく、過去との比較をしやすいグラフや表も自動的に作成してくれます。

このように、自分で好きな期間を指定して人時売上高やその他の指標を確認することができれば、改善すべきポイントが見えやすくなります。
こちらのサンプル画像の店舗は人時売上高が3,300円~3,500円程度ですので、少し経営が厳しいですね。利益率も2.7%と低い状態のため、高額な厨房機器が壊れて買い替えざるを得ないなど、ちょっとしたアクシデントがあるだけで、一気に赤字経営に転落してしまう危険性があるということになります。

ぜひ、HANJO経営分析を活用して、自店の経営分析をしてみてくださいね。

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