- 事務処理・確定申告
個人事業主の飲食店経営者は家事按分設定をしっかりと行う
確定申告は書類を提出して終わりではない
個人事業主として飲食店を経営されている方は、毎年の確定申告時期になるとバタバタしてしまいますよね。
毎年なんとか3月15日までの確定申告期間に滑り込みセーフで申告をしている、という方も多いことかと思います。
でも、この確定申告は、「周りの飲食店オーナーも適当にやっているみたいだから、エイヤーでやっちゃっていいんじゃないか?」という軽い気持ちで取り組まれないことをおすすめします。
なぜならば、確定申告はもちろん申告をして終わり、ではありません。税務署が個別に「このお店(人)の確定申告内容は合っているか。税務処理は適切にしているか」ということを後で確認をして、問題があるようだと「税務調査」というものが店舗に入ることになるからです。
確定申告会場で書類の受領印をしっかりともらったから、それで終わりじゃないの?と思われるでしょうが、これはあくまでも「申告書類を受領しました」という印でしかなく、内容について認められたわけではないのですね。
抜き打ち検査も多い
提出された申告書類を税務署員が確認をしていく中で、売上を計上していない、経費を水増ししているなどの悪質だと思われる案件については、店舗に「抜き打ち検査」が入ることも多くあります。
まずは「事前調査」と呼ばれる、税務署員による覆面調査が入ります。店舗立地やお客様の数、メニュー単価や回転数などを見て、税務署が持っている基礎データと突き合わせることで「大体この飲食店はいくらくらいの売上があるはずだ」ということを調べます。
もちろん覆面調査ですから、お客様として会計もします。その際に、レジをしっかりと打っているか、お金はしっかりとドロアに毎回入れているか、領収書は複写式のものを使っているか、などをチェックしていきます。 定食屋さんなどで、おつりの小銭をレジの前に並べておいて、1000円札を受け取ったらエプロンのポケットに入れ、おつりはその小銭を渡している店などは、売上を適切に処理できていないことが多いと見て、調査対象としてピックアップされる方が多いようです。
このようなお店への覆面調査では、夜に店舗のゴミ捨て場にあるゴミ袋から割り箸の数を数える、ということまでするそうです。怖いですね。
覆面調査が終わった後に、次は抜き打ちで「現物確認調査」が入ります。
調査官がアポ無しで突然店舗に来て、過去3年分の帳簿や領収書を見せてくださいと言ってきます。この調査は強制ではありませんので、店舗の都合が悪い場合には、その理由をしっかりと告げて後日調査にきてもらうようにしましょう。
もちろん、やましいことがなければ全く問題はありません。
実際の現物確認調査においては、調査員が事前に想定した通りの売上が立っているか、自分が覆面調査した際の飲食代金は適切に処理されているか、在庫管理や棚卸はしっかりとされているか、などを細かく確認されます。 また、食材の仕入れや管理だけでなく、スタッフの人件費についても水増しがないかなどを厳しくチェックされますので、タイムカードや源泉徴収票などをしっかりと保管しておくことが大切です。
家事按分比率も細かくチェックされる
店舗におけるお金の出し入れに問題がないと判断された場合でも、個人事業主の場合は次に「家事按分比率」を見られます。かじあんぶんひりつと読みますが、支払った経費の内、店舗で利用した分と個人で利用した分が何%ずつなのか、それが適切なのかを見られるのです。
例えば、自宅の1階を店舗として使用している場合などは、電気・ガス・水道などの水道光熱費を支払った際に、その何%が店舗分で、何%が個人分か、曖昧になってしまいますね。
この家事按分比率を「このくらいでいいだろう」と適当に決めて申告してしまうと、税務調査において否認されてしまう(経費として認められない)ことが多いようです。
通信費なども同様です。店舗で広告掲載しているグルメサイトの管理画面にアクセスするためのインターネット通信費と、個人で使っている分などをしっかりと按分することは難しいですね。
家事按分比率は多くの場合「個人利用分が多いのに、店舗分として計上しすぎている」という指摘が入ります。
そのため、税務調査対策というわけではなく、個人事業主の場合には、個人用の利用分は個人の口座から支払う、店舗使用分は個人とは別に銀行口座を開設しておいて、その口座から支払う、という分離をしっかりとしておくことをおすすめします。
また、確定申告時期に突入してからではなく事前にしっかりと経費処理をしておくことで、確定申告時期にエイヤーと勢いのみで曖昧な申告をしてしまうことのないように準備をされておくと良さそうですね。
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確定申告特設メニューでは、申告書類の作成ステップを提示しています。
作成できる申告書や帳票には以下のようなものがあります。
内容に従い申告書を作成していきましょう。専用のスマホアプリを使って領収書を撮影すれば、経費処理がサクサク進みますよ!
作成できる申告書・帳票
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