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飲食店は営業時間外の生産性を高めることで人時売上高アップを狙う

少ない人数で店を回すことが大事

飲食店の経営を考える際には、単純な売上高だけでなく、「人時売上高」を重点指標の1つとして設定すべきです。
人時売上高に関して詳細解説しているコラムはこちら

人時売上高= 店舗の売上高 ÷ 店舗の総労働時間

店舗の売上が良い時に支給している「大入り」も、例えば売上が20万円/日を超えたから支給する、とするのではなく、売上20万円にプラスして、人時売上高目標の5,000円をクリアした場合に支給する、などしてみましょう。
この場合の計算式は
20万円(目標売上高)÷5,000円(目標人時売上高)=40時間(総労働時間)
となりますね。

何人シフトインしようとも、総労働時間が40時間以内に収まって、目標売上の20万円を達成することができたら素晴らしいことだ、という考え方をスタッフに根付かせるためです。
この意識づけをすることで「店長、忙しい日はもっと人数増やしてくださいよ。この人数じゃ回せませんよ」などと深く考えずに増員要請をしてくるスタッフをけん制することができます。

営業時間外の効率化を狙う

ただし、ここに落とし穴があります。人時売上高を上げようとするがあまり、営業時間内においても人員を削ってしまうことです。これは、単日で見た際の人時売上高は確かに上がりますが、お客様の不満足度が高くなることにもつながってしまいます。
1週間、1ヵ月間と人時売上高を上げるために人件費を削っていくと、ラウンドが出来ず、目配り・気配りが追い付かなくなるために、お客様にはサイレントストレスが溜まっていき、リピートしてくれなくなってしまう、ということです。

このような事態を引き起こさないためにも、人時売上高をコントロールしようとする際には、まずは「営業時間外の効率化」から取り組むようにしてください。
開店前や閉店後の店舗清掃、お客様にお渡しするためのおしぼりの準備、食材やドリンクの運搬や仕込みなどの動きは、お客様の目にさらされていないがために、どうしても「ダラダラと」してしまうことが多いはずです。
この営業時間外の準備作業を効率化することで、数時間分の労働時間短縮につながる店舗も多いはずです。

調理の効率化も狙う

次に「調理の効率化」を模索してみてください。
多くの飲食店で、ホールメンバーはキビキビと生産性高く動いているのに、厨房ではあまり生産性を考えずに調理をしてしまっているケースが見受けられます。

例えば、ニンニクと玉ねぎを使って調理をするメニューがあるとしましょう。
A店では、オーダーが入るたびにニンニクと玉ねぎの皮をむき、それぞれみじん切りとスライスをして、フライパンを熱して油をしいて・・・という調理作業でした。
一方B店では、営業時間外の仕込みの段階で、本日使うであろうニンニクと玉ねぎの皮むきとみじん切り、スライスを終えてしまい、オーダーが入ったら、すぐに調理に取り掛かれるように準備をしていました。
もちろん、B店のほうが調理の効率化が図られており、人時売上高を上げることができますよね。

さらにB店では、調理後のフライパンや包丁を洗うタイミングや洗浄方法、乾かし方まで全てしっかりとマニュアル化されており、次のオーダーが入った際にまだ洗いが終わって無くて慌ててしまう、ということなどは一切ない状況です。
飲食店において生産性を追求し、人時売上高を上げていくには、これくらいのことを考えるのは当たり前と言えます。

ちなみに、マクドナルドやサイゼリアなどの飲食店においては、そもそも包丁がありません。全てはセントラルキッチンでプレカットされたり、半調理されたものが店舗に運ばれてくるからです。これにより調理人による味のばらつきが無くなったり、包丁でけがをしてオペレーションが止まることなどを無くし、結果として人時生産性を高めることに成功しているのです。

「マニュアル通りの無機質な接客」を嫌う飲食店経営者は多いでしょうが、業務をしっかりとマニュアルに落とし込み、徹底させることで生産性を高めることが出来るのならば、ぜひチャレンジするべきと言えるでしょう。

自分が楽することを考える

「うちのような個人経営の飲食店では、人時売上高なんて難しいことは関係ないよ」とおっしゃらないでください。個人経営で、オーナーが毎日自らお店に立たなければならないからこそ、生産性アップが必要となるのです。
人を雇うと人件費がかかるからと、出来るだけ自分が長時間労働をすることでカバーをしているオーナーはなおさらです。良い意味で「どうやったら自分がもっと楽ができるのか」を常に追求し続けることが重要です。

「あれ、店舗終了後の清掃は、いったん椅子を全部机上に上げてからやったほうが掃除しやすいな。これで5分くらい楽ができるかもしれない」
「あれ、想像と違ってお客様の入りが少ない晩は、学生スタッフに相談すれば喜んで早上がりをしてくれるんだな。これで時給をけずって人時売上高を確保できそうだぞ」
「あれ・・・・?」

などと、常に自分のお店で「楽」ができるように工夫をしてみてください。

スタッフが多いお店では、人件費の計算や給与明細書の作成など、こまごました作業に時間がかかりますよね。
このような面倒くさい仕事は出来るだけ補助サービスを使って楽をしちゃいましょう。

タブレットで打刻管理。煩雑な給与計算を自動化しましょう

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