- 居酒屋
- 利益アップ・コスト削減
居酒屋の原価率コントロール手法
原価率のコントロールレベルが最終利益を決する
ここのところ、居酒屋の原材料(食材)費が上がり、経営を圧迫し始めていますね。
日頃、水道光熱費などをしっかりとチェックしてコストダウンを図っている居酒屋においても、野菜や肉などの原材料価格が上がってしまってしまうと、その努力が水の泡になってしまいますからね。残念なことです。
原価率=原価÷売上
原価=食材仕入れ価格×食材消費量
居酒屋経営について最も重視すべき指標がFL比率ですが、食材費が高騰している中、原価率をいかに低く抑えていくのか、ということが最終利益を大きく左右します。
では、原価率が高くなってしまう要因として、どのようなことが考えられるでしょうか?
上記のような食材相場の高騰などは店舗ではコントロールができない原価率アップ要因ですが、居酒屋側でコントロールが可能な要因としては、
- ・ポーションオーバー(規定値よりも多く食材を使ってしまった)
- ・食材廃棄ロス(在庫管理と先入先出の原則を守れないためにロスが生じた)
- ・高原価率メニューのオーダー比率増
- ・食材の仕入れ価格アップ
などが考えられます。
ポーションオーバー対策
とにかく、全てのメニューにおいて「食材利用の規定量」をレシピにしっかりと定め、遵守する必要があります。
例えば、もやしとレバーのガーリック炒めというメニューの場合、もやし150グラム、レバー50グラムなど、レシピが決まっている場合には、それをしっかりと守ることが必要です。
案外見落としがちなのが、付け合わせ野菜の分量です。
例えば「ハラミステーキ」の横にはインゲンを適量添える、などの曖昧なレシピでは、調理者によってインゲンの量が全く異なってきてしまいます。
面倒でも、インゲンは4本程度、もしくは○グラム、などとしっかりとレシピに定めておくことでポーションオーバーを防ぎましょう。
食材廃棄ロス対策
とにもかくにも、「アニキの管理」と食材の棚卸を毎日しっかりと行うことにつきます。
「アニキの管理」とは先に仕入れた食材は先に使うということを徹底する、ということです。
例えば自店で特製もつ煮込みを仕込み、冷蔵庫に入れる際には、必ずタッパーごとに調理日付を書き、日付の新しいものは冷蔵庫の奥に、日付の古いものを冷蔵庫の手前に置き、使用順番を間違わないようにすることで食材廃棄ロスを防ぎましょう、ということです。
スーパーなどでは夜9時をすぎるとお刺身などに半額シールが貼られますが、居酒屋でも同様に、足の早い食材については、割引をしてでも使い切り、ロスを少なくするなどの対策も有効です。
高原価率メニューのオーダー比率増対策
対策を考える前に、居酒屋においては、原価率を低く抑えることが大事ですが、「全メニューの原価率を30%以内に抑える」ことが大事ではない、ということを覚えておいてください。
看板メニューについては、原価率70%のものがあっても問題が無いどころか、それにより集客数が増えるのならば、積極的に高原価率メニューを作るべきなのです。
ただ、高原価率メニューは集客メニューですので、そればかりを頼まれてしまっては赤字になってしまいます。必ず低原価率メニューをセットでおすすめするなどして、原価をコントロールしていきましょう。
原価率が低く、おすすめしやすいメニューとしては、ソフトドリンクがあげられます。
食材の仕入れ価格アップ対策
原価率を下げるために、野菜を直接農家から仕入れる店舗も増えてきました。
特に調理に野菜をふんだんに使っている居酒屋では、一般向けスーパーや八百屋などから野菜を仕入れるのではなく、農家との直接取引を検討してはいかがでしょうか?
農家としても出荷が出来ないような「見栄えの悪い野菜」を格安で仕入れる契約を結んでおけば、原価率を下げることが可能となります。
煮込みや野菜炒めを作る際に使う分には見栄えは全く問題ないですし、農家としても消費者向けには出荷できない野菜のため、低コストで買い付けても喜んでもらえます。
メニュー開発力も向上させる
これまでお伝えしてきた対策以外に原価率コントロールをするためには、メニュー開発力が必要となります。
仕入れ価格が低い食材を使いながらもおいしく、お客様の不満足につながらないようなメニューを開発することで、原価率をうまくコントロールしていきましょう。
メニュー開発担当者は、競合店舗や料理番組などを常にチェックして、安い食材を使ったメニュー作りにアンテナを張っておくことが大切です。
原価率コントロールがうまく、儲かっている居酒屋は、食材のストックルームや冷蔵庫・冷凍庫を見ると一発で分かります。 整理整頓がされ、「どこにどの食材があるのか」「アニキはどちらなのか」がすぐに分かるようになっているからです。
原価率コントロールは一朝一夕で実現することは難しいと言えますが、最終利益確保のためには、スタッフへの上記内容の意識づけも含め、継続的に実施し続けることが重要と言えます。
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