喫茶
利益アップ・コスト削減

喫茶店の原価率コントロール手法

原価率のコントロールレベルが最終利益を決する

ここのところ、喫茶店の原材料（食材）費が上がり、経営を圧迫し始めていますね。

物価の優等生と言われたタマゴも、最近じわじわと値段を上げていて、喫茶店の経営を圧迫しています。

せっかく日頃、水道光熱費などをしっかりとチェックしてコストダウンを図っている喫茶店においても、原材料価格が上がってしまってしまうと、その努力が水の泡になってしまいますからね。残念なことです。

原価率＝原価÷売上
原価＝食材仕入れ価格×食材消費量

喫茶店経営について最も重視すべき指標がFL比率ですが、食材費が高騰している中、原価率をいかに低く抑えていくのか、ということが最終利益を大きく左右します。

では、原価率が高くなってしまう要因として、どのようなことが考えられるでしょうか？

上記のような食材相場の高騰などは店舗ではコントロールができない原価率アップ要因ですが、喫茶店側でコントロールが可能な要因としては、

・ポーションオーバー（規定値よりも多く食材を使ってしまった）
・食材廃棄ロス（在庫管理と先入先出の原則を守れないためにロスが生じた）
・高原価率メニューのオーダー比率増
・食材の仕入れ価格アップ

などが考えられます。

ポーションオーバー対策

とにかく、全てのメニューにおいて「食材利用の規定量」をレシピにしっかりと定め、遵守する必要があります。

例えばハンドドリップのコーヒーがウリの喫茶店では、当然ながら、1杯抽出するために使う豆のグラム数を全商品しっかりと設定しておき、そのグラム数をしっかりと守ってご提供することが必要です。

当然のことだと思われるかもしれませんが、豆を擦切りで5杯使うバリスタがいれば、他の人は山盛りで5杯使っているなど、コーヒーの淹れ手によって使用する豆の分量が違ってしまっているケースはよく見られます。

食材廃棄ロス対策

とにもかくにも、「アニキの管理」と食材の棚卸を毎日しっかりと行うことにつきます。
「アニキの管理」とは先に仕入れた食材は先に使うということを徹底する、ということです。

例えば大人気のタマゴサンドに使うためのゆで卵やタルタルソースを仕込み、冷蔵庫に入れる際には、必ずバットごとに調理日付を書き、日付の新しいものは冷蔵庫の奥に、日付の古いものを冷蔵庫の手前に置き、使用順番を間違わないようにすることで食材廃棄ロスを防ぎましょう、ということです。

スーパーなどでは夜9時をすぎるとお刺身などに半額シールが貼られますが、喫茶店舗でも同様に、足の早い食材については、割引をしてでも使い切り、ロスを少なくするなどの対策も有効です。

高原価率メニューのオーダー比率増対策

喫茶店においては、原価率を低く抑えることが大事ですが、「全メニューの原価率を30％以内に抑える」ことが大事ではない、ということを覚えておいてください。

看板メニューについては、原価率70％のものがあっても問題が無いどころか、それにより集客数が増えるのならば、積極的に高原価率メニューを作るべきなのです。

ただ、高原価率メニューは集客メニューですので、そればかりを頼まれてしまっては赤字になってしまいます。必ず低原価率メニューをセットでおすすめするなどして、原価をコントロールしていきましょう。

喫茶店で原価率を落とすためには、「お代わりは定価の半額でドリップいたします」など、来店された1人のお客様が楽しみながらもう数百円ずつでもお金をつかっていただけるようなメニューを開発すれば良いでしょう。

食材の仕入れ価格アップ対策

原価率を下げるために、野菜を直接農家から仕入れる店舗も増えてきました。

特にサラダなどが人気で、普段から野菜をふんだんに使っている喫茶店では、一般向けスーパーや八百屋などから野菜を仕入れるのではなく、農家との直接取引を検討してはいかがでしょうか？
農家としても出荷が出来ないような「見栄えの悪い野菜」を格安で仕入れる契約を結んでおくことで、原価率を下げることが可能となります。

野菜をカットして使う分には見栄えは全く問題ないですし、農家としても消費者向けには出荷できない野菜のため、低コストで買い付けても喜んでもらえます。