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ラーメン店の季節別売上傾向を把握しよう
ニッパチを嫌うラーメン店経営者は多い
ラーメン店経営者ならば、「ニッパチ」は大嫌いだという方も多いでしょう。
一般的にレストランの月別売上推移を見てみると、2月と8月が最も低くなる、と言われています。
売上が下がってしまう2月と8月を略して「ニッパチ」と呼び、ラーメン店経営者は嫌っているということです。
・・・でも、「ニッパチ」は売上が下がるというのは本当なのでしょうか?
先に結論をお伝えすると、「多くの飲食業態で2月の売上は低くなる傾向にあるが、逆に8月は他の月よりも売上が高いことが多い」というのが実態です。
「ニッパチ」という表現は売上が芳しくなかった経営者が、自店の改善点に目を向けることなく、季節要因のせいにしている逃げ口上なのではないでしょうか?
ニッパチは全飲食業態で売上が下がるのか?
私たち(カシオ計算機100%出資会社:CXDネクスト)が調査した、日本各地の飲食店の2015年1月から12月までの月別売上データの季節変動係数を業態別に見てみると、面白い傾向が分かります。
①ラーメン業態
・1年間で最も平均売上に近い月は7月
・2月は7月に対して87%程度の売上
・もっとも売上が高い月は12月で106%
②居酒屋業態
・1年間で最も平均売上に近い月は3月と10月
・2月は3月と10月に対して85%程度の売上
とも売上が高い月は12月で116%
③焼肉業態
・1年間で最も平均売上に近い月は4月
・2月は4月に対して88%程度の売上
・もっとも売上が高い月は8月で111%
④レストラン業態
・1年間で最も平均売上に近い月は6月
・1月と2月は6月に対して83%程度の売上
・もっとも売上が高い月は12月で113%
⑤焼鳥業態
・1年間で最も平均売上に近い月は10月
・2月は10月に対して91%程度の売上
・もっとも売上が高い月は12月で112%
業態 | 売上 | |
---|---|---|
最低月 | 最高月 | |
ラーメン | 2月 | 12月 |
居酒屋 | 2月 | 12月 |
焼肉 | 2月 | 8月 |
レストラン | 1月・2月 | 12月 |
焼鳥 | 2月 | 12月 |
カシオ計算機100%出資会社:CXDネクストによる調査結果
つまり、実績データから見てみると、ラーメン店経営者が嫌うべきはニッパチではなく、ニガツなのですね。
焼肉を除く飲食業態は12月が最繁忙期となり、全業態の平均でも、12月は平均月の111%の売上があります。
この111%はあくまでも平均ですから、企業や団体からの忘年会予約をうまく獲得し、売上を着実に伸ばしている店舗は、平均月に対して150%程度の売上を確保しているかもしれません。
年間の販促カレンダーを作成する
ちなみにニッパチと言われている8月は、全業態の平均で、平常月よりも107%の売上がありました。
実は、8月は売上が落ちるどころか、飲食業界にとって書き入れ月の1つだったのですね。
では、ラーメン店において、稼げる月とそうでない月の差を出来るだけ無くして、毎月コンスタントに売上を獲得するためにはいったいどのようなことをしたら良いのでしょうか?
そのヒントの1つが、「年間販促カレンダーを作成する」ということです。
販促カレンダーと言うと例えば、1月は新年会、3月4月は歓送迎会、年末はクリスマスと忘年会があって・・・という季節ごとのイベントを想像されるでしょうが、そのような一般的なイベントを使おうとしてもラーメン店の売上は上がりません。
ラーメン店においては、
「1月は激辛ラーメンの月」
「2月はトッピング全品半額の月」
「3月は全品大盛り無料の月」
など、月ごとにお客様に覚えていただいたり、メリットを感じてもらえるような販促を展開していくことをおすすめします。
さらに、例えば自店の時間帯別売上を分析して、夜9時以降は来店数が少なくなるがビールの注文数が増える、という傾向がある場合には、
「夜9時以降のチョイ飲みセット」
を格安で用意しておき、最も売上が落ちる2月には、そのチョイ飲みセットにさらにメリットをつけて提供することなどで、数字を創っていくようにしましょう。
ぜひ、自店のオリジナル販促カレンダーを作成し、「自店独自のイベント」を展開して毎月の売上アップにつなげてみてくださいね。
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