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自店のお客様像をペルソナでしっかりと設定しよう
理想とするお客様像をしっかりと設定する
飲食店の開業準備をしている方は、「どんなメニューをいくらで提供しようか?」ということを中心に考えを巡らせていることでしょう。
でも、数多くある飲食店の中から、お客様にあなたが開業する店をお客様が選んでいただくためには、しっかりと「理想とするお客様像」を描いておかないと失敗してしまいます。
では「理想とするお客様像を描く」とは何を考えれば良いのでしょうか?
「あなたのお店のことが大好きで、毎週のようにご来店いただけるお客様像」のことをマーケティング用語で「ペルソナ」と言います。
戦後の「物が食べられるだけで幸せ」、という時代はとっくに終わり、今は「自分の好きなものを好きな店で食べたい(飲みたい)」と誰もが思う時代になりました。
飲食店がマーケティングを考える際にも「美味しいモノを提供する」ことで集客をしようとするのではなく、「こういう人に、こういう場面で食べていただく美味しいモノを提供する」というように、しっかりとターゲットや場面を考えておくことが必要なのです。
では、実際にペルソナを設定してみましょう。
今では飲食店でペルソナを設定しているところが増えていますが「30代後半で小学生のお子さんがいるサラリーマン。ビールが大好き」程度にしか考えられていません。
この程度のアバウトな設定では、「このお客様が何を望まれるか」について考えることは不可能でしょう。
ペルソナは、もっと徹底的にお客様像を定義することが必要となります。具体的には
・仮名
・年齢
・性別
・学歴
・職業
・勤務先住所
・自宅住所
・家族構成
・年収
・月額のお小遣い
・休日の過ごし方
・趣味
・健康状態
などをしっかりと考えた上で、その理想像に近い人に写真を選び、イメージを膨らませます。どこかに公開するわけではないので、この人物写真は芸能人などの写真などを選べば良いでしょう。
例えば「やきとん田中」を開業する場合のペルソナには、
・仮名・・・野中雄二
・年齢・・・36歳
・性別・・・男性
・学歴・・・〇〇大学経済学部2003年卒業
・職業・・・年商100億円程度の広告代理店
・勤務先住所・・・東京都中央区銀座
・自宅住所・・・東京都江東区南砂2丁目
・家族構成・・・妻33歳、娘6歳、息子4歳
・年収・・・700万円
・月額のお小遣い・・・ランチ代込5万円
・休日の過ごし方・・・日曜日の午前中は草野球
・趣味・・・自宅でビールを飲みながらプロ野球観戦
・健康状態・・・ここ2年で10キロ体重増
などとしっかりと設定をしましょう。
この詳細設定をすることにより、「サラリーマンの男性に月に2回程度ご来店いただければありがたいな」という程度のイメージではなく、より強くお客様のご来店イメージを持つことができるようになります。
「この野中さんという男性は広告代理店勤務だから、平日の晩の多くはクライアントの接待があって濃いものを食べまくっているはず。
週に1回程度は自腹で飲みに行くが、お小遣いがそんなに多くはないので、1回の飲み代は3,000円程度に抑えている。でも自宅で待っている奥さんとお子さん用にお土産もたまに買っていってくれる。」というように、イメージを膨らませることができるのです。
ペルソナを設定することで、店舗としては、「毎週水曜日の20時に1人か同僚らしき方と2人でご来店。やきとんとお酒を3,000円分召し上がり、1,200円のお土産を買ってくださる方」に対して、どのようなメニューを提供すれば喜ばれるだろうか、ということが考えられるのです。
・ビールが好きな方なので、飲み物は生ビール2杯(400円×2)と最後にレモンサワーを1杯(350円)
・つまみはやきとん10本セット(1,200円)に、モツ煮込み350円とお新香200円、煮タマゴ100円
これで合計3,000円です。これにお土産用の10本セットをつけて、合計4,200円のお支払ならば喜んでいただける、というように、具体的にイメージをしましょう。
さらに「この野中さんは毎週1回水曜日に来られる常連さんで、体重増を気にされている方なので、2回に1回はモツ煮込みをガツの刺身に替える提案をしてみたら喜ばれるかな」「お子さんがハツとナンコツを好きみたいだからお土産パックには1本ずつ無料で増量して入れておこう」「電車で帰られる途中に匂いとタレが漏れないように、袋は2重にしたほうが良いな」ということなども想像できます。
こうなると、「土日の店舗が空いている時間帯にご家族で来店していただけるように声をかけてみよう。
お酒を飲まない方用にノンアルコールドリンクやジュースもメニューに入れておいたほうが良さそうだな」など、よりお客様のニーズに合ったサービスを提供しようというシミュレーションができるようになります。
「うちの料理は一度食べてみてもらったら分かるから」ではなく、ペルソナで設定したお客様に対して、どう自店を訴求したら良いかを考えるところから始めると、飲食店は商売繁盛しやすくなることでしょう。
上記3,000円の内容を「平日の晩20時以降に限り2,500円でご提供!」などと設定して店舗前にPOPで貼り出せば、第二第三の野中さんが常連さんになってくれるかもしれませんね。ぜひ試してみてください!