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青色申告の個人事業主ならば「3年間も損失繰越が可能」なことをご存知ですか?

飲食店を経営されている個人事業主の方の中には「残念ながら今年は赤字で終わってしまった」という方がいらっしゃるかもしれません。さらに、「うちの店は3年連続赤字だよ」という方もいらっしゃるかもしれません。

確定申告は毎年行うものですが、青色申告をしている個人事業主の方は「もし赤字(損失)がある場合でも3年間損失を繰り越すことができる」ということをご存知ですか?

詳しくは国税庁のページをご覧いただきたいのですが、損失繰越については

『事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除します。

また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます。』

と明記されています。少し難しい内容なので、例を見ながら確認をしてみましょう。

前年までに出た赤字(損失)を最長3年間繰り越すことができる

まず、「損失を繰り越せる」とは、飲食店経営で赤字(損失)が出た場合に、その赤字(損失)を最長3年間、翌年以降に発生した黒字(所得)から損失分を差し引くことができる、ということです。

もう少し具体的な例で考えてみましょう。例えば

1.平成27年の確定申告で200万円の赤字(損失)が出た
2.翌平成28年の確定申告で100万円の黒字(所得)が出た
     場合には、平成28年の課税される所得金額は0円ということになります。さらに、
3.平成29年の確定申告でも100万円の黒字(所得)が出た
     という場合でも、平成27年に出した損失を繰り越すことができるため、平成29年に課税される
     所得金額は0円となるのです。

2017年4月1日現在法令等では日本の所得税は5%から45%までの7段階に区分される累進課税となっていて、課税される所得金額が195万円以下の場合は、税率が5%です。

上記の例では、平成28年と平成29年はそれぞれ100万円ずつの黒字(所得)が出ているため、
損失繰越を行わなかった場合、各年に100万円×5%=5万円ずつの税金を納める必要があります。

これが、平成27年に出た赤字(損失)の繰越を行うことで、5万円×2年分の合計10万円の税金を合法的に納めなくて済む、ということになるのです。

確定申告会場で税務署員に「確定申告書の作成方法」をレクチャーしてもらいながら申告書を作成する場合などでも、あくまでも税務署員は「単年度の確定申告書作成」についてアドバイスをしてくれるだけで、この「損失繰越」までアドバイスをしてくれないケースもあることでしょう。

赤字(損失)が出て経営が苦しいという状況にあっても、この損失繰越制度をしっかりと理解して「損失申告」を行うことで、多少なりとも納税額を抑えることができるかもしれません。
必ず、確定申告書を作成する際には「損失繰越」がしっかりとできるようにしておきましょう。

ただし、「白色申告を選択している場合」や「事業所得以外に山林所得がある場合」などには、上記損失繰越が適用されません。詳しくは、国税庁のWebサイトなどを見て、しっかりと確認するようにしてくださいね。

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