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「試用期間だからバイトのクビを切れる」は法律違反
飲食店はどこもスタッフ不足。正社員・アルバイトなど店舗で働いてくれる人は少なく、応募があればとても嬉しいですよね。でも、面接時に応募者から聞いた経験やスキルが実際とかけ離れていて、がっかりすることも多いことでしょう。
飲食店経営者が誤解しがちなのが、「3ヶ月間の試用期間中は『お試し期間』だから、社員・スタッフが期待通りに働いてくれなかったらクビにすることができる」という点です。結論を言うと、この考えは勘違いどころか、法律違反ですので、要注意です。
試用期間とはお試し期間ではありません。試用期間であっても店舗と応募者との間で労働契約は成立しているため、「辞めさせる=解雇する」ということになるのです。
労働契約法第16条によると、解雇には、
・「客観的に合理的な理由」が存在し
・かつ「社会通念上相当」であると認められることが必要
とあります。
労働契約を終了させるには、その人材の業務遂行能力が明らかに足りていなかったり、業務命令違反を繰り返したりしていることが前提で、かつそのことを証明するための「客観的な証拠」が必要となるのです。この人は能力が低い、という経営者の「主観」だけでは解雇の理由とはならないのです。
つまり、社員・アルバイトを雇ってはみたけど、思ったより能力が低かったので「試用期間中だからクビにする」という行為は、絶対に行ってはいけないのです。「他のスタッフにこの人の能力は低いということを証言してもらった」場合には、証拠となる可能性もありますが、証明力は低く評価されることが多いので要注意です。
採用した社員に辞めてもらうことはできないのか?
では、店舗側としては辞めてもらいたい人材が出てきた時にはどうしたら良いのでしょうか?結論は、「労働契約」をしっかりと社員・アルバイトと結ぶこと、そしてその契約時に交わす労働条件通知書に「期間の定めあり」としてその社員との労働契約期間を明記しておくことで「労働契約を終了させる」ことが可能となります。
例えば、労働条件通知書を作成する際に
・契約期間欄を「期間の定めあり」とする
・契約期間は5月1日から6月30日までとする
としておけば、6月30日の時点でその人の能力が足りないと感じた際には、労働契約期間満了に伴い、契約を終了することができるのです。
もちろん、面接時には「いったん2ヶ月間の雇用契約にするが、店舗としてはそれ以降も継続的に働いてもらうつもりで雇用する」ということを相手に伝えておき、期待通りに働いてくれている人とは、契約を更新するか、改めて長い期間を設定した雇用契約を結び直せば良いでしょう。
以下厚生労働省が開示している労働条件通知書のサンプルにも
・契約の更新を有りとする
という欄がありますので、分かりやすいですね。
労働条件通知書は、こちらからダウンロードしていただけます。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/youshiki_01a.pdf
就業規則もしっかりと作成しておこう
また、先ほど「応募者との間で労働契約が成立している」と書きましたが、契約時には「うちの店舗で働いてもらう際のルール」を示した「就業規則」をしっかりと示すことが必要となります。この就業規則に始業・終業時刻や休憩時間、割増賃金支払いに関するルールなどを明記しておくことで、社員・アルバイトとの雇用トラブルを未然に防ぎやすくなります。
正社員用/パートタイマー・アルバイト用それぞれの就業規則のサンプルは、「HANJO給与」をご利用の場合、無料でダウンロードしていただくことが可能です。家族以外の人を雇おうとしているのならば、是非しっかりと就業規則や労働条件通知書を作成してくださいね。
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http://tenpo.casio.jp/service/payroll/index.html
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