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固定資産税が0円に?!飲食店が知っておきたい新型コロナにともなう固定資産税等の軽減措置とは
新型コロナウイルスの影響により売上が減少している事業者に向け、政府・自治体により各種税金について様々な軽減措置が行なわれています。その中からこのコラムでは固定資産税の軽減措置を取り上げ説明しています。申請期限が令和3年2月1日となっていますので、適用要件を確認し、早めに準備、申請しましょう。
制度概要
厳しい経営環境にある中小事業者等は、令和3年度課税の1年分に限り、償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準が2分の1又はゼロとなります。
また、以前より自治体が認定した先端設備等導入計画に基づき取得した先端設備については固定資産税を3年間ゼロとする特例措置が講じられてきましたが、令和2年4月30日以降に取得した
- 販売開始日が14年以内で、生産性向上に資するものの指標が旧モデルと比較して年平均1%以上向上している120万円以上の構築物
- 先端設備を稼動させるための120万円以上の事業用家屋
についても固定資産税ゼロの対象に追加されます。
飲食店においては、自治体へ固定資産税(償却資産)の申請をしている調理器具、冷蔵冷凍庫、テーブルなどの備品が固定資産税の対象となり、毎年4月~6月頃自治体から納税通知書が届き、確定申告とは別に納付しているケースが多いかと思います。その税負担を令和3年度課税の1年分に限り、2分の1又はゼロに軽減できるかもしれません。
適用要件
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業を営んでいる方を除く、以下の法人または、個人事業主が対象になります。
- ① 資本金もしくは出資金の額が1億円以下の法人(同一の大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上を所有されている等のみなし大企業は対象外)
- ② 資本金もしくは出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
- ③ 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
また、売上の減少状況に応じ、軽減割合は以下の通りとなります
令和2年2月~10月までの任意の3ヶ月間の売上高が、前年の同期間と比べて
売上高の減少幅 | 固定資産税等の軽減割合 |
---|---|
30%以上50%未満減少している者 | 2分の1 |
50%以上減少している者 | ゼロ |
申請窓口と申請期限
固定資産税及び都市計画税は、地方税となりますので申請窓口は各自治体の税務担当部局となります。所得税の確定申告の手続きの中では申請できず、個別の申請を令和3年2月1日までに行なう必要がありますので、くれぐれも注意してください。また、手続の中で商工会議所や商工会、税理士など認定経営革新等支援機関等への提出も必要となりますので、早めに準備しておくようにしましょう。
提出書類と手続方法
このコラムでは東京都主税局のホームページ上に掲載されている案内を元に手続方法をご紹介します。
手続の流れは、各自治体概ね共通していると想定されますが、手続きの書式そのものは異なる可能性がありますので、実際に申請される際は、ご自身の管轄自治体のホームページ等を必ず確認し、必要な書類を入手するようにしてください。
1)提出書類
- ① 特例申告書
- ② 特例対象資産一覧
- ③ 収入が減少したことを証する書類(写) ・・・ 会計帳簿や青色申告決算書など、収入が減少したことがわかる書類の写し
- ④ (個人事業主で事業用家屋を所有している場合)特例対象家屋の事業専用割合を示す書類(写) ・・・ 青色申告決算書や見取り図など、事業用部分の割合が分かる書類の写し
2)申告までの流れ
- ① 特例申告書に必要事項を記入します。事業用家屋を所有する場合は別紙も記入してください。
- ② 提出書類一式を商工会議所や商工会、税理士など認定経営革新等支援機関等に提出し、要件を満たしていることの確認を受けます。(特例申告書の裏面の【認定経営革新等支援機関等確認欄】に記名・押印をもらいます。)
- ③ 提出書類一式を資産の所在する区にある都税事務所に提出します。
なお、2)-③の提出は窓口への持参も可能ですが、新型コロナウイルス感染症対策として、郵送送付(消印有効)が推奨されています。
コロナ禍の影響で大変な日常がまだまだ続く中、今回の措置のように少しでも事業の役に立つ施策は積極的に活用しながら、この難局を乗り越えていけるようにしましょう。
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