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飲食店の電気契約 ~ 電気代の削減方法を解説!
飲食店の新規開業を目指している方で、電気契約についての検討が漏れてしまうことがあるようです。また、すでに飲食店を経営されている方でも、よりメリットのある電気契約に見直し余地がある場合があります。2016年4月の電力小売の自由化以降、多様な選択肢が存在します。このコラムでは、電力契約検討についての基本的な考え方や注意点を解説します。
従量電灯契約
電力小売りの自由化以前、私生活の中で、特に賃貸マンションやアパートに住んでいると、基本的に電力の供給は管理会社や、前の入居人が契約したアンペアブレーカーが設置されていて、それを踏襲して契約することがほとんどでした。その中で電化製品の使用が多くブレーカーが落ちる頻度が多かったりすると、解決方法を調べる中で契約の見直しに目が向くという状況が多かったと思います。
2016年4月の電力小売自由化以後、新規参入の新電力会社のコマーシャルなどで、電気料金の節約という観点から検討を開始される方が多いようです。
電力小売の自由化以降、各社が様々なプランを打ち出していますが、基本的に電力契約部分については、従来の電力会社が一般家庭向けに提供してきた従量電灯契約の電流(アンペア)の範囲である10A~60Aの範囲で提供されています。契約したアンペアは同時に使える電化製品の上限となります。
主な電化製品 | アンペア目安 |
---|---|
エアコン(10畳)暖房 | 6.6A(起動時20A) |
冷蔵庫(450L) | 2.5A |
電子レンジ(30L) | 15A |
IHジャー炊飯器 | 13A |
乾燥機付き洗濯機(乾燥時) | 13A |
ヘアドライヤー | 12A |
42型液晶テレビ | 2.1A |
ノートパソコン | 1A |
以上を踏まえると、飲食店開業検討時に必要な電気契約を検討することができます。
例えば小規模な喫茶店を開業する場合には、概ね一般家庭で使われるのと同等の電化製品を同時に使用する程度が想定されるので、必要な電気契約は、電力各社が一般家庭向けに提供するプランの中で、お得なものを選べばまかなえるでしょう。それを超えて電力が必要な場合、一般家庭向けの電力契約ではまかなえないという判断になります。
従量電灯契約Cと低圧電力(動力プラン)
一般家庭向けの電気契約ではまかなえないと判断した場合で、ただし使用する電化製品は100Vのみのものである場合には、従量電灯契約Cにあたる契約でまかなうことができます(一般家庭でも大規模な邸宅などでは、このプランで契約する場合があります)
さらに、席数が多く大きな空調設備を設置する場合や、本格的な料理を提供するために業務用冷蔵庫やオーブン機器を導入する場合、それらの機器は三相200Vの電圧を必要とする場合がほとんどです。その場合には低圧電力(動力プラン)が必要になります。
低圧電力(動力プラン)については、使用する電気機器の総容量による「負荷設備契約」と、メインブレーカーの容量を基準とする「主開閉器契約」と、大きくふたつの算定契約方法があります。
負荷設備契約では、使用する電気機器の総容量で基本料金を契約しますので、例えばエアコンを稼働しない季節などにおいて電気料金が割高になる可能性があります。その場合、主開閉器契約を検討することが有効ですが、容量の見積もりを誤ると頻繁にブレーカーが落ちて営業に支障をきたしてしまうことになります。
市場連動型プランで想定を超える料金になることも
新規参入の新電力会社が提示する「市場連動型プラン」が非常に割安だったため契約したが、その後石油や天然ガス市況が高騰し、電気料金が数倍に増えてしまったという事例が散見されます。
市場連動型プランでは、電気料金は日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格に連動して電気料金プランの単価が決まるようになっていて、大部分が連動するもの、電気料金の一部が連動するものなどがあります。
市場連動型プランでない場合には、市況に連動して直ちに電気料金が跳ね上がることはありませんが、ただし日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格が低位で推移している場合には、比較的割高な料金になります。
比較サイトを上手に活用しよう
以上見てきたように、飲食店の電気契約については様々な組み合わせやプランが存在し、さらにガス料金やインターネット回線とのセットなど、多様な商品が日々開発されています。また、契約の検討には、お店で使用する電気容量について正確な把握が不可欠です。市場連動型にあったような想定外のリスクの認識など、かなりの難しさがあるのも事実です。
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