1. HOME
  2. 飲食店経営コラム
  3. 経営・分析
  4. エリアの動態を掴む 第1回
  • 経営・分析

エリアの動態を掴む 第1回

「魅力的な店なら、どんな立地場所でも繁盛する」。外食業界の中では、いまだにこうした声が聞かれます。
もちろん、不利な場所でも驚くほど集客している店もありますが、それは限られた例だからこそ、逆に際立って目についているだけです。
立地が悪ければお店を軌道に乗せるのに時間がかかり、資金繰りは悪化しがちです。

以前にこのコラムでも、確かな集客のためには、出店エリア、立地、ターゲットが一致していることの必要性をお伝えました。
その精度や信頼性を高めるために候補物件周辺の「エリア動態調査」は必須の準備なのですが、残念ながら多くの開業者が不十分なまま物件を決定しているのが現実です。

資金繰り悪化のリスクを軽減するために、そして、できるだけ好条件の立地を得るために、エリア動態調査をしっかりと行うことは非常に大切なことです。
さらに、この調査で得られたデータは、融資の審査でも重視される大きなポイントでもあるのです。

当たり前のことですが、融資担当者は外食業の専門家ではありません。業態がどれだけ優れていても、ただそれをアピールするだけでは理解を得るのに不十分な場合が多いのです。
エリア動態調査で得た客観的なデータを提示できれば、業績予測がきちんと裏付けられ、説得力がより大きく増すこととなります。

エリア動態調査における通行ポイント

① 候補物件の店前交通量を把握する

店前通行量は、開業後のスムーズな売上向上から業績安定まで、大きな影響を及ぼします。
たとえ不動産の評価が二等、三等であっても、通行量調査の結果次第で、業態にとって一等地となる物件を確保することも可能です。

ターゲットに絞った調査を行う

どれほど通行量があっても、業態の客層と合わなければ集客は見込めません。
会社員、家族、学生、さらには男性と女性の割合など、想定するターゲットに絞り込んで通行量のデータを取ります。

時間帯別に通行量を精査する

通行量の調査は、営業時間帯をすべてカバーするように行います。1時間ごとに10分間から15分間の数字を取り、それを1時間に換算しましょう。時間帯ごとにくまなく調査し、通行量の動向を把握しておけば、効率的な人員配置、さらには販促活動に役立てることも可能です。

曜日や天気による変化も確認

出店候補地となりやすい繁華街などでは、週明けの月曜・火曜、木曜から金曜、そして週末で通行量が変化することが多くあります。
曜日別に調査をして変化を把握するとともに、雨天時の集客動向を掴むため天気別の通行量も調査しておくとよいでしょう。

② ベンチマーク店を参考にする

ベンチマーク店を調査する際に、そのピーク時の店前通行量を確認しておきましょう。
通行量と実際の客数の比率を把握し参考に出来れば、候補物件における集客予測の精度がより高いものになります。

③ 競合店のデータを集める

もしも物件の周辺に業態が似ている店舗があれば、その店数に加え席数などのデータを集めましょう。
5店舗程度の集客状況をチェックできれば、競合店の数の確認にとどまらず、エリア内の業態に対するマーケット規模を掴むことも可能です。

店前通行量調査の重要ポイント

エリア動態調査と言えば、最寄り駅の乗降客数、周辺の人口、就業者数などさまざまな項目が挙げられます。その中でも、客数予測を裏付ける上で最も有効なものの一つが、店前通行量です。

小売業では、その店前通行量の「何割を集客できるか」を目安に、業績予測を立てることが多くあります。店の前を歩く人たちは固定客になりやすいため、頻度の高い来店が期待できるためなのですが、同様のことは外食業にも言えることです。
開業後、店舗の存在をいち早く認知するのも店前の歩行者ですから、その数=分母が多いほど、順調な業績向上が見込めると言えるでしょう。

ただし、通行量が多ければ必ず集客できるのか、といえば答えはNoです。
もうお分かりの方も多いと思いますが、営業時間内に、ターゲットとなる層がどれだけ通るかが重要です。

日中と夕方以降ではガラッと通行量がかわる例も多くあります。
また、通行量はあってもターゲット層が少なければ集客に結びつきません。そうした店前通行量の内容や変化を正確に把握するため、調査時間は予定する営業時間に合わせ、対象もターゲットを意識して調査を行うことが肝心です。

例えば、夕方からの営業を想定していれば、開店時間の30分位前から1時間毎に、世代・性別などターゲットを絞った歩行者数を計測します。前述の様に各回10分〜15分間行い、1時間に換算しましょう。

ランチ営業の場合は12時台がピークですので、12時から1時間、10分ごとにデータを取り変化を見極めます。

オフィス街は週末に歩行者数が減る傾向にありますし、繁華街は平日でも月曜と金曜では多くの場合数字が異なります。
週2〜3日、天候も加味し条件の異なる日に調査を行うのが理想と言えます。

開業予定の方、創業計画書を作りたい方は OAGコンサルティングへご相談下さい。

※本コラムは株式会社OAGコンサルティングからの寄稿です
投稿:2016年3月

PAGETOP