1. HOME
  2. 飲食店経営ノウハウコラム
  3. 在庫棚卸を徹底することでキャッシュフローを改善
  • 利益アップ・コスト削減

在庫棚卸を徹底することでキャッシュフローを改善

開店後、下手をすると3ヶ月もせずにキャッシュフローが破綻する

夢にまで見た飲食店オーナーの仕事。楽しかったのは銀行からの資金調達のために売上プランなど経営計画を作成している頃までで、実際はオープンが近づくにつれ、やれ什器や食材の仕入れだ、販促用のチラシ印刷代だ、WEB掲載用の広告代だなど、せっかく調達した資金がびっくりするほど急速に目減りをしていきます。

オープン後も多くの飲食店経営初心者の方が、当初の想定通りお客様に来店していただけず、売上・利益が伸びないために、どんどんキャッシュフローが悪化してしまうことに恐怖を感じ、顔つきが暗くなっていってしまいます。

開店後の運転資金を潤沢に用意できていないケースもあるため、多くのお店では開店後3ヶ月程度経過時にはすでにほとんどキャッシュが残らず、知り合いに頭を下げてさらに借金を増やすか、最悪の場合は閉店に追い込まれてしまいます。銀行などは、創業時以外は、数期分の決算書を提出しなければ追加融資をしてくれないことも多いので注意が必要です。

オープン時にはメニューを絞ることが大事

メニュー構成を考える際に、多くの飲食店経営初心者の方が陥りがちなのが、「多くのお客様に喜んでもらえるように、メニュー数も増やさないといけない」という間違った考え方です。

実際にはオープンから間もないころは店舗を回すのに必死なため、「バラバラのメニューオーダーが入っても、調理と提供スピードが間に合わない」というケースが多く発生してしまいます。

お客様にとってはオープン間もないとかそんなことは関係ありません。自分がオーダーしたものがいつまで経っても提供されないことで、信用を失い、時には怒りを買い、二度とそのお店に来るものか、とマイナスイメージが心の奥底に刻まれてしまいます。最近ではその怒りをSNSに投稿されてしまうケースも増えてきています。

そうならないためにも、オープン当初は、極端な話数品にまでメニュー数を絞り込みましょう。そうすることで、調理と提供にもスピーディに慣れることができますし、味にブレが出づらいためにお客様の満足度を上げられます。

また、同じくらい大切なことが、メニューを絞ることで、仕入れる食材種類数が減り、食材廃棄ロスも抑えられることでキャッシュフローを改善できる、というメリットがあることです。

多品目のメニューを用意しておけば、それだけ多くの食材を仕入れる必要があります。いつ出るか分からないメニューのために「あんしん在庫」を積み重ねることは食材の鮮度を落とし、キャッシュフローを圧迫してしまいますので、避けるべきなのです。

お客様にもグランドメニューを見せた上で、「○月○日からはこちらのグランドメニューで営業しますが、それまでは、1ページ目に載っているメニューのみの提供とさせていただきます」と宣言しておけば、限定メニューで味の良さを実感してくれたお客様が、きっと再来訪してくださるでしょう。

インベントリー(在庫棚卸)は毎日行う

また、出来るだけ高い頻度、できれば毎日インベントリー(食材の棚卸)をして、食材の過剰仕入を減らしていくことも重要です。

アニキの管理とポーションオーバー対策をしっかりと行っていけば、食材が余ってしまうことも、足りなくなることもなくなり、ほぼ見通しどおりの食材仕入れで店舗を回すことができるようになります。(アニキの管理・ポーションオーバー対策はこちら

オープン当初は売上目標に実績が追いつかず、焦る日々が続くかもしれませんが、PDCAを回して徐々に売上目標の精度が高まっていくことで、食材ロスも減らすことができるようになるでしょう。

慣れない内は、毎日インベントリーをすることは大変だと感じるかもしれませんが、しっかりとフォーマット(在庫管理表)を作成して、日々繰り返せば、そんなに大変な作業ではなくなります。

本題と逸れてしまうため、ここでは在庫棚卸方法の詳細については割愛しますが、食材の仕入れ価額をどの自店のもので計算するのか、野菜は皮をむき、肉ブロックは掃除をした後で歩留りを考慮して原価計算をするのかなど、しっかりと時点の棚卸ならびに原価計算ルールを決めてしまえば、あとはそのルールに従っていくだけなのであまり難しいことはありません。

一般企業の経営と違い、飲食店においては、ほとんどの場合売上は現金で回収、支払は掛けで後払いとなるために、黒字倒産ということは発生しづらいと言えます。このため、あまり細かくキャッシュフローについて考える必要はありませんが、オープン後、経営が軌道に乗るまでは、できるだけメニュー数を絞り込むことでムダな食材の仕入れと廃棄ロスを発生させないように心掛け、手元にキャッシュを多く残せるように気を付けましょう。

もちろん、オープン前の経営計画作成時点で、運転資金には余裕が出るように計算しておくことも大切と言えます。

経理はスマホでスマートに終わらせて、儲けることに専念しましょう

PAGETOP