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創業計画書記入時のポイント

創業計画書には開業にかける意気込みを盛り込む

創業計画書には定量的な表現を盛り込む」でも書きましたが、飲食店を開業しようとするのならば、まず「何故・何のために」その飲食店を開業するのか、というコンセプトが明確になっていなければなりません。

日本政策金融公庫に融資申請をする際には「創業計画書」を記入して提出します。
創業計画書のフォーマットには、 1. 創業の動機 2. 事業の経験等 3. 取扱い商品・サービス 4. 販売先・仕入れ先 5. 必要な資金と調達の方法 6. 事業の見直し(月平均)という6種類の大項目がありますが、やはり最初に出てくる項目が「創業の動機」ですからね。
「暇だからなんとなく」「飲食なら自分にでもできると思って」などの曖昧適当な動機しかない場合には、開業を辞められることを強くおすすめします。

日本政策金融公庫のWEBサイトには、創業計画書の記入例がPDFや動画で紹介されています。
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyourei01_150401c.pdf
https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/index_movie2.html

記入時に気をつけていただきたいのが、「計画書のフォーマットは飲食業だけでなく全業種共通のもののため、飲食店開業者にとっては少し書きづらい項目になっている部分もある」という点です。
多少、項目とずれてしまっていても、自分が書きたい内容があれば、思い切って書き込んでしまうことをおすすめします。

以下、記入時のポイントを確認してみましょう。

1.創業の動機

ここは、コンセプトを考える際にしっかりと検討されているはずです。出来れば保有資格や、類似店での修行経験などをしっかりと書くことで、「経営は初めてだけど飲食店の運営には携わったことがある」ことをアピールしましょう。
サンプルには「現勤務先の仕入業者から、多品種の酒を安く仕入れできることになり、事業の見通しが立ったため」と書いてあります。
飲食店経営において「安く、良い条件で食材などの仕入れができる」ことは成功のための大きなアドバンテージになります。ぜひこのアピールができるように開業前から食材の仕入れルートなども独自開拓してみましょう。

2.事業の経験等

ここには短い期間でも良いので、開業しようとしている店と同業態での勤務実績を書き入れたいですね。問題にならないように細心の注意が必要ですが、可能であれば競合店での勤務実績があればなお良いでしょう。
直接飲食店経営に携わっていたことがなくとも、商圏分析を担当するマーケティング会社にいた、事業改善のためのコンサルティング会社にいたなど、他業界での経験があればしっかりと記入されるべきです。

3.取扱い商品・サービス

ここは特に具体的に書きましょう。
サンプルのように「日替わりランチ900円」と書くだけではなく、月曜日は〇〇、火曜日は△△、水曜日は・・・などのように、スペースをはみ出してでもしっかりとメニュー構成を考えていることをアピールしましょう。
セールスポイントの部分には、「毎平日の17時~19時、21時30分から閉店までをハッピーアワーとしてドリンク@200円での提供を行うことで店舗お試し客を増やす」などの販促策も書き入れられれば良いでしょう。

4.販売先・仕入先

ここが非常にポイントです。
サンプルには販売先:一般個人とありますが、これだけでは融資審査をする方のイメージを掻き立てられません。別途市場調査をした際に仕入れた定量的な情報をここに盛り込んでみてください。

「メインターゲット層のアラサ―ビジネスマン(男女)の店前通行量が平日17時~18時で400名。その内5%の20名の集客を見込む。ハッピーアワー告知チラシのハンディングで店舗認知度を高める」など、具体的に書いてみましょう

5.必要な資金と調達の方法

この欄を記入するためには、融資申請時以前にしっかりと内外装や厨房機器の見積を取得しておく必要があります。 物件が見つかってから初めて内外装業者さんを調べ始めるのではなく、事前にしっかりとリストアップをしておき、物件の下見と同時に複数業者さんに見積を出してもらう、などのスピーディな動きが必要となります。
調達の方法欄の自己資金は「融資申請直前になって身元不明の人から口座に振り込まれた」のではなく、「開業を見越して毎月数万円ずつしっかりと貯金をし続けていた」方が心証は良くなります。
開業を意思決定した日から、わずかな額でも良いので継続的に自分の口座に貯金をし続けましょう。

6.事業の見通し

このシミュレーションの精度の高さが、融資承認を獲得できるかどうかの一番のポイントとなります。「飲食店の開業準備はコンセプトを7W2Hの視点で考える」をご参照になりながら、しっかりと数値シミュレーションをしてみてください。

融資審査をする方は、勢いよりも着実性を見ています。一度融資実行をしたら、数十か月に渡り、その方から継続的に元本と金利を返し続けてもらわないといけないですからね。
創業計画書を作成する際には、気合と根性で頑張ります!という意気込みだけを語るのではなく、そのベースとなる定量的なシミュレーションをしっかりと提示するようにしましょう。

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