- 利益アップ・コスト削減
支払遅延常連の飲食店がたったの30日間で500万円の現金を手にした「ある手法」とは?
飲食店経営をしていると、「やばい、今月末の支払いに現金が足りなくなりそうだ!」という状況に陥ったことはありませんか?「俺なんて毎月、個人名義の銀行口座から現金を貸し付けしているよ」という方も多いことでしょう。
飲食店は現金商売と言われながらも、実際はクレジットカード支払や電子決済のお客様分の入金が少し先になってしまったり、調理機械の故障で急な出費がかさんだりと、キャッシュフローが厳しくなることも多いはずです。
今回は、「毎月末の酒屋への支払いはもちろん、家賃、水道光熱費などの支払いも常に遅れて、周りに迷惑をかけ続けていた」という資金繰りに苦しむ某焼肉店が、たったの30日間で500万円の現金を手にした「ある手法」をご紹介いたします。
先に結論から申し上げると、この焼肉店は「自店で使える金券(プリペイドカード)」を発行し、常連さんに販売することで、500万円の現金を手にされました。
・1万円、3万円、5万円の額面の金券(プリペイドカード)を発行し
・それぞれ3%、5%、10%のプレミアムをつけて利用できる特典をつけた
・従業員の販売コンテストを開催し、積極的にお客様におすすめをした
ことにより、1ヶ月も経たずに500万円を超える「金券売上」を達成し、キャッシュフローを劇的に改善することができたのです。もちろん、例月は各取引先に待ってもらっていた支払もニコニコ現金払いをすることが可能となりました。
「今、店に来てくださっているお客様」に営業
この焼肉店は、「せっかく今、お店で食事をしてくださっているお客様がいるのだから、そのお客様に喜んでいただけるような仕掛けをしよう」ということで金券(プリペイドカード)の発行を思いつきました。
「お金をかけても実際に集客に結び付くかは不明なチラシ配布」などではなく、「今、店にいらっしゃるお客様に喜ばれながらリピート来店をしてもらえる金券販売」をすることにより、CS(お客様満足度)と現金収入を一気にアップさせたのです。
結果として、月商600万円程度だった焼肉店が、通常売上にプラスして500万円分の金券売上を達成しました。もちろん、「今日の支払いのために金券を買ってその場で使う」というお客様もいらっしゃいましたが、多くのお客様は「今日の支払い額以上の額面の金券を買い、次回来店時に使う。その際に足りない分の金券はさらに追加で購入してくださる」という良いサイクルが生まれました。
この焼肉店は、金券を発行・販売することにより
・500万円の現金を手に入れた
・その500万円分の「仕入れ」はまだ発生していないため、キャッシュフローが改善された
・金券を購入されたお客様はリピート客化してくれる
という素晴らしい状態をつくったのです。
金券の発行・販売時には「未使用残高」に要注意
「よし、じゃあ自分の店でも金券(プリペイドカード)を発行してみよう!」と思われた方、1点だけご注意いただきたい点があります。
難しい話は割愛しますが、自店のみで使える自家型発行金券であっても「未使用残高」という、「お客様に販売したのにまだ使われていない金券の残高」が3月31日あるいは9月30日に1,000万円を超える場合は、内閣総理大臣への届け出が必要になりますので、注意が必要です。詳細はこちらに記載がありますのでご覧くださいね。
http://www.s-kessai.jp/businesses/prepaid_means_overview.html
また、発行する金券はまさに「自店ではお金と同等の価値がある券」ですから、保管や「利用実績の履歴確認」は慎重にされることをおすすめします。
ご紹介した焼肉店の金券は紙製のスタンプカード方式となっていますが、金券販売は必ずレジで行い、お客様の目の前で「ご利用実績相当」のスタンプを金券に押していく、ということを徹底することで、トラブルを防いでいます。
金券を「販売するコンテスト」も同時開催する
どれだけお得な金券でも、発行するだけでお客様に告知を行わなければ、購入していただくことはできません。この焼肉店では、学生アルバイトも含めた全スタッフで、お客様への金券販売コンテストを実施しました。
飲食店経営者がスタッフに「金券を売って来い」と指示をかけるのではなく、「こんなにお得な金券だから、お客様に自信を持っておすすめしてください。販売数に応じて、スタッフの皆さんにも金券をプレゼントします」という依頼をしたのです。
このコンテストがきっかけとなり、スタッフの笑顔と対応が良くなったと評判になり、今ではこの焼肉店の売上は月商800万円を超えるようになっています。
実は、この金券販売コンテストは、「笑顔キャンペーン」と同時開催することで、その成果を大きくすることができました。また、潤沢なキャッシュフローを得ることで、これまで支払遅延で迷惑をかけていた酒屋さんにも「2%割引」の交渉をもちかけ、すんなりと合意をしてもらうことができたのです。
笑顔キャンペーンが気になる方は、こちらをご覧くださいね。
http://tenpo.casio.jp/column_industry/detail150.html
酒屋さんへの2%割引交渉の内容は、こちらをご覧ください。
http://tenpo.casio.jp/column_industry/detail149.html
「あぁ、今月もキャッシュフローがカツカツだよ」と嘆いている飲食店経営者の方は、ぜひ金券(プリペイドカード)の発行を検討してみてくださいね。