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覚えておこう!法定調書の作成と提出とは?
この時期、税務署から年末調整関係の資料とともに「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」という冊子が届く事業所が多いようです。今日は、この法定調書の作成と提出についてご説明します。
法定調書の代表的なものって何だろう?
法定調書とは何でしょうか?あまり聞きなれない言葉ですよね。法定調書には多くの種類があります。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7401.htm
とはいえ、飲食店をはじめとする多くの事業者にとって、提出すべき種類としてはそれほど多くありません。
私たちにとって一番馴染み深いのは「給与所得の源泉徴収票」です。開業する前に会社に勤めたことがある方は会社からもらっていましたよね。そして今、飲食店を経営するあなたは、正社員はもちろんのことアルバイトさんやパートさんにも源泉徴収票を発行して渡してあげなければなりません。
よくある質問の一つに、学生のアルバイトの子には源泉徴収票なんて渡さなくていいんだよね?というものがあります。毎月のアルバイト代も少ないから所得税も差し引かずにまるまる振り込んでいるし、という考え方です。
ですが、厳密にいうと、源泉徴収票はアルバイトさんにもパートさんにも、もちろん社員さんにも、給与を支給したすべての人の分を作成し、ご本人に渡してあげなければなりません。
期限は翌年の1月31日までです。
また、注意点としては、年の途中で退職している方には退職後1カ月以内に作成して渡してあげなければならないということ。次の勤務先で合わせて年末調整することになりますので、必ず退職後の送り先を確認しておくようにしましょう。
更に気を付けたいのは、最近外国人の従業員がとても多いということ。この源泉徴収票の発行は日本人や外国人といったことは関係ありませんから、外国人のアルバイトさんにも渡してあげるように注意が必要です。
HANJO給与では、市販のタブレットを利用した勤怠管理データを元に、毎月の給与計算に加え、年間の給与支給内容から源泉徴収票の発行まで対応しています。
その他の代表的な法定調書
その他の代表的な法定調書をここでご案内します。
1 退職所得の源泉徴収票
アルバイトやパートの方に退職金を支払うことはなかなかありませんが、正社員のスタッフが辞めたときには、退職金についても給与と同じように源泉徴収票を作成する必要があります。こちらも給与の場合と同様、退職した方全員に渡してあげてください。
2 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
賞金はなかなかありませんが、顧問税理士に決算料を支払ったり毎月の顧問料を支払ったりしている飲食店は多いと思います。その場合はこちらの支払調書を作成しましょう。
3 不動産の使用料等の支払調書
飲食店を個人で経営している場合は関係ありませんが、法人で経営している場合は、この支払調書を作成します。お店の家賃を支払ったり、更新料を支払ったりした場合に、その内容を記載するものです。
HANJO給与では、従業員に関連するマイナンバーを安全に管理し、源泉徴収票を発行できます。 さらにHANJO会計をあわせてお使いいただくと、取引先のマイナンバーを安全に管理し、支払調書を発行できます。
法定調書を作成したら税務署に提出しよう!
ここまでスタッフ全員分の源泉徴収票を作成して本人に渡さなければならない等、お給料、退職金、報酬、使用料等を受け取った人に渡すことを案内してきました。
ただ、法定調書はそれだけではなく、税務署にも提出する必要があります。
各法定調書を作成したら、次にその中から税務署に提出する分を選び出します。税務署への提出に関しては、それぞれの法定調書に応じて○○円以上の場合は提出する。ということが決まっています。つまり、作成した全員分を提出しなくてよいわけです。
例えば給与の源泉徴収票の場合、年末調整していて法人の役員だったら年間の給与が150万円以上のもの、年末調整しない乙欄だったら年間の給与が50万円以上のものは提出する、といった具合です。
提出の区分や範囲については税務署から送られてきた「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」に書いてありますので、確認してみましょう。
そして提出する分を選び出すところまで終わったら、その内容を「〇年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」に記載していきましょう。
それぞれの項目ごとに、支給した総額と提出する分の金額を記載する欄があります。
提出は翌年1月31日まで!
各法定調書や法定調書合計表は支払った翌年1月31日までに提出します。
ちなみに、提出先は違いますが、源泉徴収票は従業員の住んでいる各市区町村へも翌年1月31日までに提出します。厳密にいうと市区町村に提出するものは「給与支払報告書」といいますが、内容は源泉徴収票とほぼ同じです。
従業員が多ければ多いほど、提出する先(市区町村)も多くなる可能性がありますから、なるべく早めに準備して期限内に提出するようにしましょう。
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