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飲食店の資金繰り ~ HANJO会計による管理例

会計処理をする店員のイメージ

飲食店の売上は基本的に毎日発生します。一方でお店の家賃や水道光熱費の支払いや借入金の返済などは月末に集中します。お店は繁盛しており損益計算上も利益が出ていても、このタイミングで一時的に現預金が不足し、特に買掛金などで未払いを起こしてしまうと、いわゆる「黒字倒産」という形にもなりかねません。

また、コロナ禍にあっては、休業中に減少する支払いだけでなく、自治体からの協力金・支援金収入を勘案して、要請に応じて休業するか、営業を強行した方がよいのか、といった売上見通しや損益計算に始まり、協力金の入金と支払いのタイミングの問題など、特殊な資金繰りの検討が必要となる場面も出てきました。
そこでこのコラムでは、飲食店専用クラウド会計ソフト「HANJO会計」が備えている資金状況管理機能を例に、小規模飲食店の一般的な資金繰り管理について具体例を交えて解説します。

現預金有高の把握

「黒字倒産」は、現金・預金など支払いに充てられる資産の不足が原因です。潤沢に土地や設備を所有していたとしても、これらをすぐに売却し現金化することは難しいため、いざというときにすぐに支払いに充てられる現預金がどの程度あるかを正確に知っておく必要があります。

HANJO会計はMoneytreeサービスと連携した預金有高管理が可能です。具体的には、Moneytreeに各銀行の預金口座を登録しておくことで預金全体の有高が自動集計されます。HANJO会計で現金の残高が管理されているため、双方が自動合算されて、いつでも現預金有高を把握することができます。

収入計画

飲食店では基本的に毎日の営業により現金収入が発生しますので、月末までにいくら現金が確保できるのかは、売上予測を元に求めることになります。
売上予測は基本的には前年同月や前月の売上等を参考に立てることになります。そのうえで、HANJO会計では売上目標収入予定としての売上高をそれぞれに登録することができます。
売上目標は、目標となりますので売上予測と同額やそれを上回る金額を登録してその進捗を管理することができます。
一方で収入予定としての売上高は、支払い能力の検討のために行うため、売上予測を8掛けするなど保守的な見積を登録して、もろもろの支払予定に対応できるかを検討することができます。

キャッシュレス決済を導入している場合は、お客様の会計時にそれぞれの決済会社ごとへいったん売掛金として計上し、入金されるタイミングは決済会社ごとに異なります。各社が提供する翌日入金サービスなどのオプション契約を利用すれば、資金ショートの懸念は和らぎますが、一方で都度の手数料が負担となる可能性があり、現預金有高が十分な場合は、各社標準の入金サイクルで契約する方がいいかもしれません。資金繰りを検討することにより、このような事柄も最適に検討できます。

コロナ禍における協力金・支援金収入についても、入金スケジュールが明確なものはHANJO会計に登録できます。

支出計画

HANJO会計では、飲食店において月末に集中すると想定される各種の支払いを、すべて支出予定として管理することができます。支払家賃や借入金の返済といったような、基本的に毎月一定額であるものは、毎月の支払予定の一括登録もできるようになっています。

仕入や、従業員を雇っている場合の給与の支払い予定は、売上予測に対して、自分のお店のFL比率を乗じることで予定額を求めることができます。水道光熱費などは前年の実績などを参考に、すべて登録しておきます。

参考コラム:

加えて注意が必要なのが税金の納付です。特に消費税の課税事業者になった最初の年は注意が必要です。

消費税の課税事業者になった最初の年の消費税納付追加支出例

お店の年間の売上が1,200万円、仮受消費税120万円で、簡易課税制度を選択した場合の計算例を示します。
飲食業は第四種事業に分類され、みなし仕入率は60%です。
売上1,200万円の60%である720万円がみなしの仕入金額となり、みなしの仕入金額720万円に対応する仮払消費税は72万円の計算となります。
この場合、いままで確定申告時期に発生している所得税の納付支出に加え、同時期に追加で発生する消費税の納付支出48万円(仮受消費税120万円 - 仮払消費税72万円の差額)にも備える必要があります。

参考コラム:

その上で、お店の儲けから経営者自身の給料(生活費)をいくら得るかを当てはめると、お店の支出予定が完成します。

動画で説明を見る

まとめ

以上でまとめた収入予定と支出予定を対比させたものが小規模飲食店の一般的な資金繰り管理となります。
HANJO会計では毎月の資金予定を一目で把握できるようになっており、正味現預金残高がショートしそうな場合は、支払予定の金額を編集しながら資金繰りのシミュレーションができるようになっています。また、実際の売上や支払いが発生した場合には、資金予定を実績金額により随時更新することも可能です。

HANJO会計は飲食店でよくある帳簿付けと確定申告ができるだけでなく、飲食店の実情にあった資金繰り管理機能も備えていますのでよろしければご活用ください。サービスの詳細はこちらでご紹介しております。

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