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飲食店のバイト求人と面接のポイントを解説!

アルバイト求人のイメージ

このコラムでは人手が足りないので求人を出しているが全然応募がないとお困りの個人経営の飲食店の方に向けて、バイト・パート求人のノウハウについてまとめています。

概要

厚生労働省が公表している職業別一般職業紹介状況のなかで、飲食店の求人の内訳となる「飲食物調理の職業」と「接客・給仕の職業」の有効求人倍率は、コロナ禍にあって1.5倍程度まで低下した時期はあるものの、2022年2月には2.3倍程度にひっ迫しています。コロナ以前は3倍を超える水準のため、全業種の中でも相対的に求人が難しい業界と言えます。

そのようななか、大手のチェーン店が資金力などのリソースを背景に、求人広告や、福利厚生制度の充実によって人材の確保を図っていることから、それとの人材獲得競争となる個人経営の飲食店の求人はより難しくなります。

お客様獲得の面での大手チェーン店に対して個人店の強みは、オリジナリティーのあるメニューやきめ細かいサービスがポイントになるように、求人に関しても、求職者側のニーズを把握しきめ細かい対応をすることが対応策になります。

求職者のニーズを理解する

すべての人が当てはまるわけではありませんが、一般的にバイト・パートを探している人の就労希望の強い時間帯は以下のように分類できます。

バイト求職者の属性 就労希望が強い時間帯 備考
学生 夕方~夜間 相対的に経験や人脈の獲得・スキルアップへのニーズが強い。賄いの提供も魅力的に映る
フリーター 日中が主体であるが個別に希望を持つ 相対的に金銭面の獲得ニーズが強い
主婦 午前中 相対的に短時間・定時就労のニーズが強い
シニア 午前中~日中 想定的に軽作業へのニーズが強い

したがって、ランチ営業の人手を確保したい場合と、ディナー営業の人手を確保したい場合では、優先的にアプローチすべきバイト求職者層が違い、それに応じて求人媒体を考える必要があります。

求人媒体の選び方

主な求人媒体と、バイト求職者の各属性との親和性は、以下のような組み合わせとなります。

主な求人媒体 親和性の高いバイト求職者属性 備考
インターネットの求人広告 学生
フリーター
アルバイト情報誌 学生
フリーター
駅やコンビニの利用者にリーチできる
地域情報誌 主婦
シニア
特定地域に絞った求人を行なえる
新聞折込チラシ 主婦
シニア
特定地域に絞った求人を行なえる
学校への掲示 学生 学生層に安心感を伴った求人ができる
店内・店頭張り紙 (お店の顧客層による) お店への理解と好感度が高い人材を獲得できる可能性がある

募集要項記載のポイント

募集要項には、お店が必要としている事項や個別に調整可能な事項を、バイト求職者の属性毎のニーズを踏まえ表現することが効果的です。以下、例示します。

項目 記載のポイント
時給
  • 周辺の同業他店の条件を調査の上、同等水準を設定する
  • 求人がより困難となる夜間等の時給を同業他店より高く設定するなど、メリハリのある工夫
勤務時間 お店にとっての必要性を前提として
  • フリーターに対しては、週6日勤務可能などの提示が有効
  • 主婦や学生に対しては、短時間勤務可能などの提示が有効
交通費 募集要項としては可能な限り全額支給が望ましい。なお、実際の採用の段階で同等の候補者がいる場合は、交通費の負担軽減の面に加え公共交通機関が止まった際のリスクなどを勘案し、近隣の居住者を優先して採用
応募資格
  • 年齢の制限は原則として禁止されていますが、具体的に採用したいターゲットの年齢がある場合は、「○○歳のスタッフが活躍しています」等の事実に基づく記載は有効
  • マニュアルなどを整えたうえで、未経験者を積極的に受け入れられれば、より応募者を集められる
仕事内容 内容は同じでも、印象をよくできる言い方や表現方法を工夫する
  • 「皿洗い」「調理手伝い」 → 「キッチンスタッフ」
  • 「ウエイター」「ウエイトレス」 → 「ホールスタッフ」
その他 特に学生向けに求人する場合、以下のような記載が有効な場合がある
  • 賄いの説明
  • 先輩バイトとの交流例など

なお、募集要項の検討と魅力的な表現の工夫について、以下のコラムでさらに詳しく解説、例示しておりますので、ぜひ参考になさってください。

参考コラム:

効果的な応募書類/面接の設定

事務職を採用するのであれば履歴書を提出させることで、その文面や文字も重要な評価材料になりますが、競争の激しい飲食店の求人において典型的な履歴書のフォーマットの提出を強いても、顔写真の撮影や、採用判断にはあまり重要でない記載事項も多く、むしろ人材獲得の妨げになる懸念のほうが大きいです。
そこで、応募書類については「面接事前アンケート」といったような、印象が柔らかいタイトルで採用判断するために必要な設問に絞ったフォーマットを準備して、応募書類とするとよいでしょう。

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面接の流れとしては、まず応募へのお礼をしたうえで、「募集要項」に沿ってお店の仕事の紹介、「面接事前アンケート」に沿って、応募者のプロフィールや応募動機、スキルを対話型で確認していきます。以下、効果的な面接を行なうためのポイントを示します。

  1. 面接の場所
    お店の雰囲気を知ってもらうため、お店の中でも特にリラックスできる客席などで行うとよいでしょう。また、正面に対座すると、応募者に緊張を強いる形になります。その耐性を採用判断材料にするという場合もありますが、そうでない場合は、あえてL字型のような形で対座することも方法です。
  2. 面接の時間
    短すぎると十分な判断はできません。かといって緊張感が伴う中での集中力には限界もあります。15~20分程度を目安にしましょう。
  3. 面接の進め方
    お店や仕事、待遇の説明について丁寧に行ったうえで、応募者の評価項目については、端的に質問し、できるだけ応募者に話をさせるようにしましょう。また、必ず応募者からの質問も聞くようにしましょう。こうすることで、説明能力など応募者の資質適性をより的確に測れるのと同時に、後日不採用とする場合にも、応募者の不満軽減につながります。

なお、面接の途中で不採用と判断する場合もありえますが、その場合、応募者に悟られることがないように注意してください。応募者やその関係者は、別の機会にはお店のお客様になる可能性がある点を常に念頭において、首尾一貫して丁寧で失礼のない対応を心がけましょう。

書面による通知

「面接後採用を決めて連絡したのだけど、出社予定日になっても来てくれない」というケースも少なくないようです。見方を変えると、お店のほうでは応募者を採用したが、応募者のほうではお店が期待外れで、働くのも不安に感じ不採用だったということになります。応募から面接に至るまでの応対で問題がなかったかを振り返り、気が付く点があれば修正しましょう。

それと並行して重要な点は、労働条件や就業規則などを書面として提示したかという点です。お店や仕事内容、待遇について、いかに面接で魅力的に伝えていたとしても、書面での裏付けがなければ応募者は少なからず不安に感じます。また、好印象も薄れていくものです。以下の項目については、労働条件の書面による明示は労基法第15条により、書面交付による労働者への明示が義務付けられています。

  • 労働契約の期間に関すること期間の定めのある労働契約の場合は、更新の有無・更新の基準に関すること
  • 就業の場所及び従事する業務に関すること
  • 労働時間、所定労働時間を超える労働の有無、休憩、休日、休暇、交替制勤務の就業時転換に関すること
  • 賃金の決定計算及び支払い方法、賃金の締め切り及び支払いの時期に関すること
  • 退職に関すること(解雇事由を含む)

また、パートタイム労働者には、昇給・退職手当・賞与の有無、雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口についても書面等で明示しなければなりません。(パートタイム労働法第6条)

このほか、労働者に負担させるべき食費や作業用品、安全・衛生に関する事項、職業訓練に関する事項、災害補償や業務外の傷病扶助に関すること、表彰及び制裁(懲戒)に関すること、休職に関すること等で、使用者がこれらに関する定めをする場合には、労働条件通知書等に記載しておく必要があります。(労基法施行規則第5条)

HANJO給与のご紹介

以上、このコラムでは人手が足りないので求人を出しているが全然応募がないとお困りの個人経営の飲食店の方に向けて、バイト・パート求人のノウハウについてまとめました。

なお、このコラム中でご紹介した「面接事前アンケート」、「面接時のチェックポイント」「就業管理規則」について、当サイトでご紹介している「HANJO給与」内に、社労士が監修したテンプレートを収録しています。「HANJO給与」はメールアドレスによる利用登録だけで最大2か月間無料で使うことができ、これらのテンプレートもすべて利用できますので、よろしければご活用ください。サービスの詳細と利用登録についてはこちらからご確認ください。

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