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個人事業の飲食店における給付金・補助金・協力金の仕訳と確定申告

コロナウイルス

本コラムでは個人事業の飲食店が持続化給付金・家賃支援給付金・持続化補助金・雇用調整助成金・各自治体からの営業時間短縮要請への感染拡大防止協力金などを受けた場合の、一般的な会計仕訳上の処理方法と確定申告上の扱いを解説しています。なお、このコラムはすべての取り扱いについて網羅する主旨のものではありませんので、個別にどのように扱ったらよいか分からないものがある場合は、税務署やご契約中の税理士に確認するようにしてください。

処理方法は共通

新型コロナウイルス感染症と、その対策としての緊急事態宣言等による飲食店への営業時間制限・酒類提供制限により、多くの飲食店が経営上深刻な状況になっています。 この状況への支援施策として、持続化給付金・持続化補助金・雇用調整助成金・各自治体からの営業時間短縮要請への感染拡大防止協力金などが実施されています。当サイトでは各施策の概要と獲得方法についてまとめておりますので、よろしければ参考になさってください。

さて、このコラムの本題は、各給付金・補助金・協力金を受けた場合の一般的な会計仕訳上の処理方法と確定申告上の扱いでした。一般的にはすべての給付について、”もらえる給付金額が確定した時”と、”実際に給付された時”の2回のタイミングに分けて個別に計上します。

給付が決まったとき 未収金/雑収入

給付が決定したときに一般的に使う勘定科目は「雑収入」、相手勘定は「未収金」となります。
給付元の名称(例えば持続化給付金の場合は「中小企業庁 持続化給付金事務事業 」など)は摘要としての記載になります。会計ソフトを利用している場合は、取引先(補助科目)として追加します。なお、給付金・補助金・協力金は消費税の課税対象ではありません。

以下、当サイトでご紹介しているHANJO会計における仕訳例です。

仕訳例

給付を受けたとき 普通預金(現金)/未収金

給付を受けるときは通常振込であることが想定されるので、この場合借方の勘定科目は「普通預金」となります。仮に現金で受け取られた場合には「現金」となります。貸方は、「給付が決まったとき」に計上済の「未収金」を消し込む仕訳となります。

以下、当サイトでご紹介しているHANJO会計における仕訳例です(銀行振込の例)。

仕訳例

確定申告書における記載例

確定申告では事業所得について黒字の場合に課税となりますので、受け取ったすべての給付金・補助金を加味したうえで赤字の場合には、課税は発生しません。一方で、受け取りを加味した上で黒字になる場合は、その黒字は課税対象になりますので、持続化給付金や家賃支援給付金による収入は、課税対象であるといえます。

法人の損益計算書では、売上に対して直接かかった仕入を差し引いた「売上総利益」をもとめ、ここからさらに販売管理費を差し引いた「営業利益」を算出し、給付金や補助金は営業外収入として別途計上し、手数料支払いなど営業外費用を差し引いて「経常利益」を記載しますので、給付金・補助金による収入は明瞭に分類できます。

個人事業で青色申告の飲食店の場合は、青色申告決算書2ページ目「〇月別売上(収入)金額及び仕入金額」欄の「雑収入」欄に給付金・補助金による収入の合計額を記載の上、特に複数の給付がある場合には3ページ目「○本年中における特殊事情」欄に内訳を記載するとよいでしょう。

個人事業で白色申告の飲食店の場合は、収支内訳書の収入金額欄に通常の売上とその他の収入欄がありますので、それぞれの合計額を記載の上、特に複数の給付がある場合には裏面の特殊事情欄に内訳を記載されるとよいでしょう。

課税取り扱い

確定申告では、営業外収入含めた「収入」から、営業のために必要な食材費・人件費・店舗の家賃に加え減価償却費などを事業の「必要経費」として差し引いて「事業所得」を計算し、ここからさらに経営者自身とその扶養家族における医療費や保険料は「所得控除」をすることができ、所得控除後の金額が「課税所得額」となり、最終的にその「課税所得額」に対して税金がかけられます。

したがって、基本的には補助金、助成金、給付金、協力金すべてを加味しても「課税所得額」がマイナスとなる場合は、課税は発生しません。一方で、受け取りを加味した上で黒字になる場合は、その黒字所得に対して課税対象になります。以上を踏まえると、給付金や補助金は基本的には課税対象であるといえます。

ただし、2020年に実施された特別定額給付金については、売上が半減していても増えていても関係なく全国民に一律給付されました。スピード優先で個々の事業状況に関係なく行なわれたため、法律により非課税となっています(新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律 第四条)。確定申告時の手続き・世帯の受領金額記入なども不要でした。もし、今後類似の給付金が実施された場合は、個別の案内に注意するようにしてください。

まとめ

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