- インバウンド対策
東京オリンピックと飲食店 ~ 海外からのお客様獲得に商機あり!
注:本コラムは東京オリンピック開催時期延期決定前に執筆されています。
東京オリンピックが開催される2020年は、訪日外国人旅行者4,000万人が国家目標になっています。そして、旅行者の飲食消費も年々確実に増加しています。そこでこのコラムでは、インバウンド需要を確実に刈り取るための集客、接客などのポイントを解説します。
東京オリンピックの2020年 訪日外国人旅行者数は4000万人目標
東京オリンピック誘致は、政府による「観光立国推進」の大きな目玉として推進されてきました。
平成26年(2014年)版観光白書を紐解くと、東京オリンピックの誘致が決定した2013年は東日本大震災の影響などは残りつつも、アベノミクスによる円安基調も重なって、訪日外国人旅行者数がはじめて1,000万人を突破した年でした。
以降、着実に外国人観光客は増え続け、2018年に3,000万人を突破しました。そして東京オリンピック開催の2020年、政府は訪日外国人旅行者数4,000万人を目標に掲げています。
参考:「明日の日本を支える観光ビジョン」
また、訪日外国人旅行者によるインバウンド消費については、モノからコトへシフトし、飲食の消費額も確実に伸びています。
観光庁「訪日外国人消費動向調査」によると、
- 2013年1月~3月期の訪日外国人1人当たりの飲食費は29,214円
- 2019年1月~3月期の訪日外国人1人当たりの飲食費は32,016円
となっており、確実に増加していることが分かります。
そこでこのコラムでは、訪日外国人の方にあなたのお店を選んでいただくには具体的にどうすれば良いか。そのポイントを、3つに絞ってご紹介します。
外国人集客のポイントはGoogleマップ対応
2017年に観光庁が実施した「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート結果」
によると、無料公衆無線LAN環境(への接続)について28.7%が「困った」と回答しており、外国人旅行者が困ったことの上位を占めていますが、2016年に実施された同様のアンケートで同回答は46.6%だったことから、急ピッチで改善が進んでいると考えられます。
総務省は東京オリンピックが開催される2020年までにWi-Fi環境を約3万箇所に整備しようとしており、さらに改善が進むと想定されます。
この影響もあってか、最近は飲食店に行っても「無料(Free)Wi-Fi使えます」といった案内を見かけるシーンが増えたように感じます。準備がまだできていない方は、機器の導入など取り組みを始めるだけでなく、「FREE Wi-Fi」といった分かり易い案内お店の外に向けて貼り出すなど、積極的なアピールを心掛けましょう。
また、訪日客は、いままでは訪日前や滞在先のホテルで検討していた訪問先について、メインの訪問先は事前に決めつつも、食事などについては、「その時々にスマホで検索し、Googleマップに示された地図や画像と、自動翻訳された店舗基本情報とクチコミを元に決める」ことが増えると想定されます。つまり、外国人旅行を集客するには、Googleマップに自店がどのように紹介されるかが大変重要になってくると言えるでしょう。
Googleでの検索に対して、飲食店が取り組める効果的な対策としては
- Googleビジネスプロフィール(旧 Googleマイビジネス) に登録し、Googleマップ上の店舗情報を編集する。Googleマップ上に表示される店舗基本情報は定型化されているので、各国語の自動翻訳精度も比較的高いことが期待できる。
- 店舗の雰囲気や料理の内容を直感的に把握できる写真を豊富に投稿する。
- 外国人観光客によるクチコミを増やす。
となります。
具体的取り組み方法については、HANJO TOWNに掲載中の以下のノウハウコラムもぜひご参考になさってください。
話題のGoogleビジネスプロフィール(旧 Googleマイビジネス)
を使って近隣のお客様を集客しよう
飲食店でも外国人観光客の「インバウンド(爆買い)」を狙う
接客の強力ツール 外国語メニューブックでオーダー獲得
日本政府観光局(JNTO)のWebサイト「日本の観光統計データ」では無料で訪日外国人旅行者の動向を調べることができます。たとえば2018年に日本の訪れた外国人の人数上位は
順位 | 国・地域 | 人数 |
---|---|---|
1 | 中国 | 8,380,034 |
2 | 韓国 | 7,538,952 |
3 | 台湾 | 4,757,258 |
4 | 香港 | 2,207,804 |
5 | 米国 | 1,526,407 |
となっているようです。同サイトでは都道府県別国別の訪問率ランキングを調べることもできます。東京オリンピックに向かって、お近くで競技予定がある場合には、その種目に強い国なども知っておくと、集客施策に加えて、宗教的な理由や食習慣からNGな食材・料理など、あらかじめ意識しておかなければならない事柄も想定しておくことができます。また準備ができたらしっかりと、かつ海外の方にも分かり易く告知をするようにしましょう。「当店では◯◯の食材は一切使用しておりません」といった店外・店内POPを作成して貼り出すなどの手段が、費用も掛からず効果的です。
そして、外国人のお客様が来店された際に、できるだけスムーズに接客ができ、またお客様としても安心してオーダーできるよう、外国語メニューブックを用意しておくとスムーズでしょう。主要な料理が写真で判りやすく掲載され、料金も分かりやすい、指さしでオーダーいただけるようなメニューシートが準備できているとスムーズです。アレルゲンなどの表記があればさらに親切で、安心感につながります。
さらに詳細なコツについてはHANJO TOWNに掲載中の以下のノウハウコラムをぜひご参考になさってください。
飲食店がPOPを使ってインバウンド(外国人観光客)需要を取り込むには?
早めに留学生バイトを青田買い!ただし、法律に気をつけよう
母国語に加えて日本語を習得したうえで異国である日本に留学している留学生は、基本的に外国語の運用能力に加えてコミュニケーション能力も高いといえます。したがって、積極的にアルバイトとして雇用し、店員として教育しておくことができれば、東京オリンピック開催時などの接客で、大きな戦力として期待できます。
もし、専門学校生や大学生のバイトや仲のいいお客様がいる場合、留学生のお友達を紹介してくれないか頼んでみるのもひとつの手段かもしれません。
飲食店の人材採用は、紹介が最も効果的
ただし、留学生が日本でアルバイトをするためには
資格外活動許可申請が必要で、その就業時間も原則「週28時間(残業時間も含む)」が上限(ただし、留学生だと在籍する教育機関の夏休み等、長期休業期間中は1日8時間・週40時間まで働いてもらう事が可能)となります。またそれ以外にも、社会保険・労働関係法令が日本人と同様に適用されたり、マイナンバーの提出が義務付けられたりしています。こういった点に雇用側の飲食店としても十分に留意するようにしてください。
外国人雇用の詳細についてはHANJO TOWNに掲載中の以下のノウハウコラムをぜひご参考になさってください。
飲食店で外国人労働者を雇用するときの注意点
HANJO給与の勤怠管理を使えば、就業状況を正確に管理することができます。