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アフターコロナの飲食店物件探しと内装工事

内装工事のイメージ

新型コロナウイルスの発生とそれに伴う緊急事態宣言、まん延防止等重点措置は、人流の抑制に加え、飲食店への営業時間短縮、酒類提供制限を伴い、少なくない飲食店を廃業に追い込みました。
一方で開業動向に目を転じると、実は飲食店開業件数はコロナ以前と比較しても底堅く推移していました。廃業の状況に照らすと、居抜き物件等を有利な条件で契約できるチャンスとも考えられます。
そこでこの記事ではHANJO TOWNに掲載されている450を超えるコラムからのピックアップに最近の情勢を交えながら、物件探しのヒントと内装工事のノウハウについて解説します。

コロナ禍の飲食店開業動向

内閣府「日本経済2020‐2021」では、新型コロナウイルス感染症が日本経済にどのような影響を及ぼしたかが広範に分析されています。開業動向については、第3章第2節 倒産・廃業と開業としては、次のようにまとめられています。

参考ページ:
引用

2020年は厳しい経営環境に見舞われたが、それでも開業数は2019年と同じペースで月を追うごとに増加し、2020年計で118,999件と、東京商工リサーチ調べによる年間の倒産、休廃業・解散件数(57,471件)を上回っている(第3-2-5図(2))

開業時の特徴イメージ

日本政策金融公庫「2021年度新規開業実態調査」にみる飲食店開業動向

次に、日本政策金融公庫「2021年度新規開業実態調査」から、飲食店の開業動向を見ていきます。
2020年度について、開業全体に占める”飲食店・宿泊業”の割合は14.3%になっています。前年度より減少するものの過去水準に比較すると特段減少しているわけではありません。2021年度はより感染力と重症化傾向が強いデルタ株のまん延と、秋口まで収束の見通しが立たない状況であったものの、”飲食店・宿泊業”の割合は14.7%と増加しています。 なお、同じ時期に”持ち帰り・配達飲食サービス業”を含む“小売業”の開業割合に顕著な増加は見られないことから、あくまでイートイン営業を見据えた自分のお店を開きたいという志向は、コロナ禍にあっても底堅いといえそうです。

図表出所:日本政策金融公庫「2021年度新規開業実態調査」

テイクアウト販売の併営も見据え路面店を狙いたい

イートイン営業を前提にする場合も、現在の状況やコロナ後に想定されるライフスタイルの変容を考えた場合、テイクアウト販売を当初から併営することは視野に入れる必要があるでしょう。
テイクアウト販売はGoogleマップなどでの認知活動は前提の上で、買い物や通勤通学の途中で目に留めていただき、手短に商品を引き渡すという態勢が重要になりますので、空中店は著しく不利です。
ただし、テレワークの定着などにより、必ずしも繁華街に出店しなくても、郊外の商店街などで新たな人通りが生じている可能性があります。まとめると、郊外にも目を向け、現場で曜日別時間帯別の人流も確認したうえでの路面店出店に妙味があるといえるでしょう。

参考コラム:

スケルトン/居抜き/残置

さて、飲食店の物件を探す際、一般的に、内装がすべて取り払われている「スケルトン物件」と、店舗の内装設備が残存している「居抜き物件」に大別する言い方がされますが、後者について厳密に「残置物件」という括りに当てはまるかも意識してください。以下、それぞれの概要を説明します。

  • 「スケルトン物件」とは、基本的に内装がすべて取り払われていて、契約後、全面的に内装工事を施す必要のある物件です。
  • 「居抜き物件」とは、現時点で営業しているが、比較的近い時期に退去が予定されている物件をいいます。
  • 「残置物件」とは、過去に飲食店が営業していたがすでに退去していて、その後借り手がなく、当時の内装などが放置されている物件をいいます。

次に、それぞれの物件に想定される、一般的なメリットとデメリットを示します。

物件分類 メリット デメリット
スケルトン物件 思い通りの内装を実現できる
  • 内装・設備工事の費用負担が大きい
  • 内装・設備工事に時間がかかる
居抜き物件 現状の内装・設備をそのまま活用することでスケルトン物件と比較して低コスト、短時間でオープンできる 造作譲渡契約等に留意が必要
残置物件 (居抜き物件のメリットとデメリットに追加して想定される事項) 長期間借り手がついていないため、居抜き物件より廉価な条件で契約できる可能性がある
  • 長期放置された設備が正常に動かない可能性がある
  • 長く閉鎖されているため、周辺通行人の印象が悪い可能性がある

なお、可能であれば過去その物件で営業していたお店の退店理由もぜひ把握しておきたいポイントです。例えば、直近店舗であった喫茶店はコロナ禍での営業不振であったとして、さらにその前のお店は自分が経営しようとしている焼肉業態で、実は排煙や匂いのトラブルで退店に至っているなどといったようなケースもあり得ます。不動産屋さんに加え、近隣店舗の方にも確認できるとよいでしょう。

参考コラム:

居抜き物件では造作譲渡契約と譲渡項目書の作成が必要

居抜き物件の什器(じゅうき)や内装、機材、厨房機器などの全てが契約後に自由に使えるわけではなく、それらについては賃貸人との通常の賃貸借契約とは別に、現在の賃借人と新しい賃借人の間で「造作譲渡契約」を結ぶ必要があります。
また店舗にある什器や機材の内、AとBは無償で譲渡。CとDは有償(〇万円)で譲渡。EとFは引き揚げてしまうので、店舗では使えない」ということなどをしっかりと記した「譲渡項目書」を取り交すことも重要です。これらの契約に注意しないと、現在の什器・設備が売却処分されてしまい、実際の店舗引き渡し時には何も使えるものが残っていなかったということが起こりえます。
また、什器・設備の中にはリース契約の物件が混在している場合は、権利関係がさらに複雑になります。このような造作譲渡契約と譲渡項目書の注意点については、別のコラムで詳しく解説していますので、よろしければあわせて参照ください。

参考コラム:

C工事の交渉余地がある

内装工事にはA工事、B工事、C工事の3種類があります。
それぞれの違いは、下記のように区分されます。

工事分類 施工業者指定と費用負担者
A工事 施工業者・・・貸主側が指定
費用負担・・・貸主側が負担
B工事 施工業者・・・貸主側が指定
費用負担・・・借主側が負担
C工事 施工業者・・・借主側が指定
費用負担・・・借主側が負担

従来、基本的に内装工事についてはB工事を指定されるパターンが多かったように思います。貸主側から見ると、普段からその物件の内装施工に慣れている業者さんに仕事をしてもらえるため、建物の躯体(くたい)を傷つけたり、耐震壁に勝手に穴をあけられたりといったトラブルやミスが防げるというメリットや、また、業者からリベートを得ている場合も想定されます。 ただ、現在は新型コロナウイルスの影響でなかなか借り手が見つからないという状況もあり、施工業者を一応は紹介するものの、借主側で相見積もりを取って結果的にC工事にすることも比較的容認されやすくなりつつあるようです。

参考コラム:

現在の店舗はテイクアウト販売に適応できなかった可能性が高い

さて、実際の内装工事を検討する段階で意識したいのが、テイクアウト販売を併設する前提での検討です。スケルトン物件の場合はもちろん、居抜き物件や残置物件で開業する場合も、前の店舗はテイクアウト販売への適応ができずに廃業に至っている可能性が高いので、厨房に対しての客席、テイクアウト販売窓口それぞれのスムーズな導線とオペレーションを検討しましょう。料理のスムーズな提供はもちろん、イートインで食事をされているお客様と、テイクアウト商品をお待ちのお客様がそれぞれ気持ちよくお待ちいただけるような配慮が必要です。オープン後の実際の状況に応じて、可変的にスペース配分を調整できるような工夫ができるとベストでしょう。
その意味で、特にコロナ禍にあって開店した飲食店の内装を手掛けた業者はこのような知見やノウハウを蓄積していると考えられます。

内装工事を複数の業者に提案させよう

個別の立地・業態・営業工夫の組み合わせで絶対正解というものはありませんが、このコラムでは、以下の項目をまとめました。内装工事については、設計の見積もり依頼・比較ができるサービスも充実しているので、必要に応じて活用されるとよいでしょう。

  • 郊外の路面店に妙味
  • 居抜き物件と残置物件の違いと、据え付け什器・設備利用に関する注意
  • 内装工事を検討する際のポイント

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